「長崎ランタンフェスティバル」の目玉イベント「皇帝パレード」に皇帝・皇后役として出演した福山雅治さんと仲里依紗さん。長崎が生んだ2大スターが語る故郷・長崎への思いとは。

長崎の自慢ポイントは

中国の皇帝が民衆と共に新年を祝う様子を再現した「皇帝パレード」。福山さんと仲さんは沿道からの熱い声援に笑顔でこたえながら史跡「出島」から「出島メッセ長崎」までの約1.3キロを1時間半かけてパレードした。パレード後のトークイベントで語られたのは、長い間第一線で活躍する2人だからこその“ふるさと長崎”への特別な思いだった。

福山皇帝・仲皇后が到着(出島メッセ長崎)
福山皇帝・仲皇后が到着(出島メッセ長崎)
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ーー長崎のこんなところが好きというのは?

福山さん:
長崎っていうのは観光資源と呼ばれているものがたくさんある。まず1500年代、ポルトガル船が来航して始まった海外との交流。そこで様々な歴史があった。決してハッピーなことばかりじゃなくて中には悲しい歴史もある。時代が変わっていく中で時代を前進させようとした思いもあっただろうが、そこで様々な悲しい歴史もあった。だけど、そのことも含めて今、我々の命、生活、さらにこの先の未来へつながっていくということでいうと、世界が近代化するということにおいて、人間や人類っていうのは近代化していくんだ、進化していくんだということをこの500年、600年で表現している。それがギュギュッと詰まったのが長崎という街だと思っている。そうした歴史的背景やそこから派生した人々の生活、文化に、世界中の人が興味を持ってもらえるソフトがたくさんある。そして、それを紹介したいという気持ち。何よりこの、観光に訪れた方々に対して非常に親切な、もっと知ってほしい、もっと分かってほしい、なんだったら色んなところまで連れて行きますよというような長崎の人たちの気持ち。これが最も自慢できるところなんじゃないかと思う。

仲さん:
仕事、撮影現場とかで「どこ出身ですか?」という話になって、「長崎です」って言うと、「修学旅行で長崎に行きました」とか、皆さん本当に長崎での思い出や長崎への印象がすごくいい。だから私も胸を張って「長崎出身です」と言いたいなってずっと前から思っていて、それが年々増していっている。大人になるにつれてどんどん魅力的な街だなと思うし、やっぱり帰ってきたいなって思うようなところ。 すごく自慢できるふるさとなので私はどんどん「長崎出身です」って言い続けたい。長崎をどんどん盛り上げるために私にどんなことができるだろう?皆さんと一緒に長崎をさらに盛り上げていきたいなって、その力に少しでもなればいいなと思ってお仕事を頑張っている。

観光名所に行く前に…

長崎おすすめの場所について、福山さんは長崎の観光名所「グラバー邸」や「大浦天主堂」などを上げ「日本の近代化がそこから始まった。歴史の転換点、分岐点となった重要な場所。その場所で起こった物語を噛みしめると長崎の街がより奥深い味わいになる。」と話した。

国宝「大浦天主堂」は2018年に世界文化遺産「長崎と天草地方潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつとして世界遺産に登録された現存する国内最古の教会建築だ。

また「旧グラバー住宅(グラバー邸)」は、造船・炭鉱・鉄道などの新しい技術を日本にもたらし、近代文明の進展に尽力したイギリス人のトーマス・ブレイク・グラバーが過ごした住宅で、どちらも多くの観光客などが訪れる場所だ。

福山さんは「そうした場所を訪れる前にそこで起きた出来事や歴史を一度インプットしてから行くと、感じるものは非常に大きく、世界中で起こっている紛争などと照らし合わせて”人はどういう風に生きていかなきゃいけないのか”を考える、さらには風光明媚な場所としても楽しめる、そういう奥深い魅力がある」と話した。

”10代”の頃と”今”感じる長崎

「皇帝パレード」の出発地点ともなった史跡「出島」については、福山さんは10代の頃と、今とでは感じるものが違ったようだ。

史跡「出島」で挨拶する福山さん
史跡「出島」で挨拶する福山さん

福山さん:
(出島に)ちゃんと入ったのは初めてだった。長崎にいた18歳の頃まではなかった。形は残っていたけど。(その後)復元されて、復元されたばかりの当時はちょっとピカピカしているのがどうなんだろうと思っていたがいい感じにやられてきて、今はすごく“出島感”がある。この衣装を着て出島の中から歩く瞬間は、タイムスリップしたような、その時代の中国の偉い方とか出島にいたのかなと思えるぐらい非常に入り込めるすごくいい所になっていた。

鎖国時代、日本と西欧を結ぶ唯一の窓口だった「出島」は、埋め立てにより失われた当時の姿を復元しようと長崎市が70年以上にわたって「復元整備事業」を行っている。

新しい場所が過去の歴史を照らす

今、“100年に一度の変革期”を迎えている長崎市のまち。

2023年11月には、仲里依紗さんがスペシャルアンバサダーを務める「アミュプラザ長崎 新館」がオープン。西九州新幹線開業に伴う長崎駅前の再開発、さらには今年10月には「長崎スタジアムシティ」が開業する。

新たな変化を続ける長崎を、福山さんは「大きく前進するきっかけ」と捉えている。

福山さん:
新しいものがどんどん出来上がっていくことで、昔の景色がなくなり寂しくなるのかなと思っていたけど、新しい景色、新しい施設ができて新しい場所ができることによって新しい輝きがこれまでの過去の歴史をむしろ照らすのではないかと。新しい場所の光が過去の場所を照らし、より奥深い長崎になっていくのではと思う。

そして、福山さんは「祭り・フェスティバルが開催されるということはこの街が平和であるという象徴、長崎ランタンフェスティバルが100年続くようにと願っている。「皇帝パレード」で感じた活気を、長崎が持つ元気の象徴としてまだまだ元気になれるはず。長崎、一緒に盛り上げていきましょう」と呼びかけた。

「出島表門橋」を歩く2人
「出島表門橋」を歩く2人

また仲さんは、「(長崎ランタンフェスティバルなどのために)長崎を訪れた県外の人が長崎のよさを実感して魅力を広めて、自分が大好きな故郷・長崎を“第二のふるさと”にしてほしい」と話し、今後長崎のためにできることがあったら何でもやります、と意欲を見せていた。

最後に福山さんは「パレードは多くの人の支えがあり“平和だからこそ”実現できたことを感慨深く思っている。次は音楽で帰ってきます、長崎でお会いしましょう」とシンガーソングライターとしての“約束”をして締めくくった。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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