能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県の被災地へ熊本から心温まる贈り物だ。送ったのは、熊本市に住む小学2年生の男の子。被災者を気遣う手紙とお年玉から出した2,000円を義援金として穴水町に送った。

生後間もなく熊本地震を経験

「おうえんしてます。じしんがおわるまでがんばってください」1月29日、石川・穴水町に届いた1通の手紙。

穴水町に届いた手紙
穴水町に届いた手紙
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穴水町は能登半島地震で20人が犠牲となったほか、2,800戸を超える住宅が全半壊するなど甚大な被害を受けた。(2月5日時点)

甚大な被害を受けた穴水町
甚大な被害を受けた穴水町

富永千陽君:大変そうだったし、かわいそうだから…

手紙を送った富永千陽くん
手紙を送った富永千陽くん

能登半島地震の被災地、穴水町に手紙を書いたのは、熊本市東区に住む小学2年生、富永千陽君(7)だ。

千陽くんの姉・千晴さん(10)は、「家族で寝ようとしたら、めっちゃ揺れて、机の下に隠れた」と当時を振り返る。

生後間もなく熊本地震で被災
生後間もなく熊本地震で被災

千陽君が生後間もない、2016年4月に熊本地震が発生し、家族は1週間ほど車中泊を経験した。

当時のことは覚えていないものの、今回の地震をきっかけに、母・晴佳さんなどから熊本地震について話を聞いた千陽君。

能登半島地震の被災地に心を寄せるようになったという。

母「思いやるような気持ちを持ってるんだと知った」
母「思いやるような気持ちを持ってるんだと知った」

母・晴佳さん:「寒い思いをしているのかな」、「おなかすいてないかな」ということが息子本人の口からいっぱい出てきたので、そういう人を思いやるような気持ちを持ってるんだと、そのときに知って…

お年玉の2000円を義援金として被災地に

その気持ちを応援しようと、西原村に住む祖母を通じて村の社会福祉協議会から手紙と義援金を送ることになった。

穴水町に送った手紙
穴水町に送った手紙

「くまもとじしんのときにたすけてくれてありがとうございます。ぼきんするからあったかいごはんとか、あったかいおふろにはいってください。おうえんしてます」

お年玉の2000円を義援金に
お年玉の2000円を義援金に

親せきからもらったお年玉から2,000円を義援金に充てた。熊本地震の際に西原村に職員を派遣し、支援してくれた縁で送り先は穴水町になった。

穴水町職員「大切に使わせていただきたい」
穴水町職員「大切に使わせていただきたい」

穴水町職員:手紙がうれしかった。大変心が温まった。(義援金は)大切に使わせていただきたい

感謝の気持ちを述べる吉村町長
感謝の気持ちを述べる吉村町長

穴水町吉村光輝町長:「本当にありがとう」の一言。落ち着いたら私たちも西原村に挨拶に行きたい。その時に機会があれば(千陽君に会って)お礼を言いたい

SNSでも話題に…

穴水町はXの公式アカウントで千陽君の手紙を紹介。大きな反響を呼んでいる。

穴水町の「X」公式アカウント
穴水町の「X」公式アカウント

穴水町吉村光輝町長は「今、私たちに一番必要なことは皆さんに心を寄せていただく、気持ちを寄せていただくことが私たちの力になる」と話す。

千陽君の今回の行動に母・晴佳さんは…。

母「自分の気持ちを誰かに届けられたのはすごい」
母「自分の気持ちを誰かに届けられたのはすごい」

母・晴佳さん:人を思いやるやさしい気持ちだったり、見返りを求めず自分の気持ちをだれかに届けられたというのは単純にすごいなと思う

被災地に心を寄せた千陽君の行動は多くの被災者に元気と勇気を与えた。

富永くんの手紙は地元の北國新聞でも紹介された。また、今回の地震を受け、西原村も穴水町に職員を派遣し、災害ごみ置き場の設置などに当たったということだ。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
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