3月8日は国際女性デー。

日本でも女性活躍への動きは年々、増している。

創立100年を超えるあすか製薬株式会社は、長い間女性の健康や悩みに向き合ってきた。

産婦人科領域を中心に医療用医薬品を取り扱う同社の知見を結集し、女性の体や疾患等に関する正しい情報の発信を軸とした取り組み「女性のための健康ラボMint⁺(ミント)」や、そのコンテンツを企業向け研修動画として提供する「Mint⁺ Femknowledge(フェムナレッジ)」を展開している。

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あすか製薬の歩みを追いつつ、同社社長・山口惣大さんと、女性のための健康推進室長・古澤恭子さんから、女性活躍にとって外せない視点を学んでいく。

月経1周期あたりの経血量はどれくらい?

女性のための健康推進室長・古澤恭子さん(右)とフジテレビアナウンサー・藤井弘輝(左)
女性のための健康推進室長・古澤恭子さん(右)とフジテレビアナウンサー・藤井弘輝(左)

はじめに「女性のための健康ラボMint⁺」について、フジテレビアナウンサー・藤井弘輝が古澤さんに聞いた。

「女性のための健康ラボMint⁺」は、あすか製薬が2020年に100周年を迎えた時に誕生したウェブサイトで、『知ることは、自分を守ること。』というキーメッセージのもとに、女性の体や健康、疾患、ホルモンの変化等に伴うさまざまな症状の解説などを発信している。

同社は創立以来、ホルモンの研究を続けてきたことから産婦人科領域に携わり、女性の健康や悩みと向き合ってきた。

その知見に基づき、「Mint⁺」は正しい情報を発信し、女性の不安を和らげることを目的としている。

たくさんの情報が手に入る今、何が正確な情報かを判断するのは容易ではない。

そこで「Mint⁺」は、医薬品メーカーとして医師の監修も受けながら、確かな情報提供に努めている。

女性のための健康推進室長・古澤恭子さん
女性のための健康推進室長・古澤恭子さん

「女性のための健康ラボMint⁺」に関わる古澤さんは、藤井アナに「1周期あたりの月経(生理)でどれくらい経血が出るか知っていますか?」と質問。

藤井アナは「あまり考えたことがないですけど、そんなに多くはないのではないでしょうか」と答えると、古澤さんは「1周期あたりの経血量は20mlから140mlが正常とされています」と解説する。

水色の水は経血を模したもの。それぞれのカップには140ml(左)と20ml(右)が入っている
水色の水は経血を模したもの。それぞれのカップには140ml(左)と20ml(右)が入っている

「月経1周期あたりの経血量が140ml以上になると過多月経、20ml以下になると過少月経だとされるため、婦人科・産婦人科を受診した方がいいかもしれません」

古澤さんは「女性自身がみずからの体について知らない、あるいは、知っていても痛みなどを我慢して婦人科・産婦人科に受診しないといったケースはかなりあります。そのために生じる“つらい状況”を少しでも緩和できればと思っています」とサイトに込める思いを語る。

女性の健康に関する正確な情報を発信

――「女性のための健康ラボMint⁺」の中で、特に見てほしいところはありますか。

まずはコンセプトムービーを見てもらいたいです。「ひとりで悩まないで」「知ることが大切だよ」といったメッセージを発信しています。

特に体の悩みについて女性はひとりで抱えがちなので、女性に寄り添いつつ声かけをしていきたいのです。

また、「Mint⁺」は多様なニーズに応える活動も展開しています。料理教室「ABCクッキングスタジオ」さまと一緒に、「食」というアプローチから、ライフステージごとの悩みやつらさを和らげるヒントとなるレシピの紹介や、オンラインセミナーの開催等をしています。

また、10代に向けたウェブサイト「Mint⁺ teens」では、コンテンツによる解説の他、動画に親しみのある世代に対し、月経の仕組みや女性特有の病気、妊娠、避妊などの情報を動画で解説しています。

――男性が女性のつらさに寄り添う上で大切なことは何でしょうか。

たとえば、会議の際、1時間以上にわたる場合は休憩を10分ほど設けていただくのはどうでしょうか。月経中の女性は経血のもれ等が気になると思いますので。

加えて、月経の期間中、女性は腹痛や腰の痛み、肩の凝り、体のむくみなども経験しますし、眠気にも襲われたりします。

それが、不摂生のせいではないといったことも理解していただけたらと思います。

男性も女性の体や病気・症状のことを知っていただいて、目の前の女性が「今、つらい状況にあるのかも」と、必要に応じてサポートできる環境が徐々に整っていけば良いなと思います。

実は、Mint⁺で実施したアンケートの結果では、女性の9割近くが、男性にも女性のつらい症状を知ってほしいと考え、一方の男性も、8割近くが理解したいと思っているということがわかりました。

しかし、それらに関する正確な情報を集積したメディアがほとんどなかった…。その課題感から私たち「Mint⁺」は正しい情報発信が使命の一つであると考えています。

―――2023年からは、新しいことも始められたそうですね。

去年10月から「Mint⁺ Femknowledge」というサービスを展開し始めました。

「Femknowledge」とは、「Female(=女性)」の健康課題を「Knowledge(=知識)」を共有することで解決していただきたいという思いを込めて私たちが作った言葉です。

本サービスでは、女性が活躍して働く環境をより良くしていくことに役立てていただけるコンテンツを研修動画として企業向けに提供しています。

女性の生き方の選択肢がより広がる社会を作りたい!

では、これらの取り組みがどのような経緯から生まれたのか、同社代表取締役社長・山口さんに、フジ・メディア・ホールディングス サステナビリティ推進室の木幡美子が聞いた。

あすか製薬代表取締役社長・山口惣大さん
あすか製薬代表取締役社長・山口惣大さん

あすか製薬は、1920年に帝国社臓器薬研究所として創立。

食品加工時に廃棄されていた動物の臓器から成分を抽出して、ホルモン製剤の開発に着手したことが製薬会社としての始まり。

1922年には国内初となる女性ホルモン製剤の発売を開始。

以来、100年以上にわたって産婦人科領域に携わり、出産やホルモン補充、不妊治療、月経困難症、子宮筋腫の治療などに用いる医薬品を提供してきた。

山口社長は「長年培ってきた女性の健康に関する知見を社会に還元しようとの思いから『女性のための健康ラボMint⁺』という取り組みを始めました」と語る。

―――たとえば、女性は月経や更年期障害について、ひとりで悩み、解決をあきらめがちです。そこをサポートされているのが「Mint⁺」ですね。

まずは「知ること」が大事です。もしかしたら、ある女性にとってはホルモン治療が有効かもしれない。

もちろん診断・治療は医療機関の仕事ですが、私たちは、女性にさまざまな選択肢があることを伝えています。

フジ・メディア・ホールディングス・サステナビリティ推進室・木幡美子
フジ・メディア・ホールディングス・サステナビリティ推進室・木幡美子

―――確かに、「月経の際に医療機関を受診する」といった発想が出てこない女性もいると思います。

女性がそれに気づき、多様な選択肢の中から自分の生き方を選択できる、そんな環境を作ることを私たちは目指しています。

そのためには、女性が正しい知識を得ること、と同時に、男性も、またあらゆる年代の人も、女性の健康等に関する正しい知識を得ることが必要です。

―――最後に、女性活躍をサポートする企業としての展望を教えてください。

あすか製薬はホルモン製剤の研究開発の中で女性特有の疾患と長く向き合ってきました。

産婦人科領域では、あすか製薬はリーディングカンパニーであると自負しています。

あすか製薬が開発した女性ホルモンに関わる初期の医薬品
あすか製薬が開発した女性ホルモンに関わる初期の医薬品

人々の健康課題は今後ますます多様化するでしょう。それに伴い、新たなニーズも生まれてきています。

当社は、医薬品の提供を軸にしながら、予防、診断から予後などを含めた女性の健康をより丁寧にサポートできるトータルヘルスケアカンパニーになることを目指します。

まだまだ、産婦人科受診に抵抗感を抱く女性はいらっしゃいます。医療機関にかかる際の女性の不安を解消し、スムーズに受診していけるような社会的な働きかけも広げていきたいと思います。

<動画を見る>

女性のための健康ラボ Mint⁺

Mint⁺ フェムナレッジ

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