コロナ禍を経て外国人観光客で賑わう、北海道のスキーリゾート「ニセコ」。

今シーズン、街には、これまでにない異変が起きていた。

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ニセコ東急グランヒラフスキー場。ほとんどが外国人客だ。

スキー場直結のコンドミニアム

「こちらはチェックイン前の部屋になるが、1月2月は全室ほぼ満室状態になっている。コロナ前と比べても20%くらい(予約が)増加している」(ニセコアルパインデべロップメンツ 三宅祐子さん)

羊蹄山を望む部屋は1泊21万円。一番高い1泊60万円の部屋も予約で満室だ。

外国人宿泊客数が急増中

コロナ禍で外国人観光客が激減したニセコエリアだが、昨シーズンは水際対策の緩和で復活。

今シーズンはさらなる来訪が期待される。

高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の期間限定ストアも

ニセコ花園リゾートスキー場直結のホテルでは、日本国内のリゾート地では初となる、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の期間限定ストアがオープンしていた。

127万円もするスキー板も売れているという。

ゲレンデでは、ルイ・ヴィトン仕様のゴンドラも運行している。

50台以上のキッチンカーが乱立

外国人観光客の復活と共に、ニセコではある異変が起きていた。

お寿司のキッチンカーにカレーのキッチンカー。フェスのように盛り上がっている。

今シーズン目立つのが夕暮れと共に営業を始める多くのキッチンカー。その数は50台以上。

札幌市の居酒屋が出店しているキッチンカーは、お寿司をメインに扱っている。

カツ丼が3000円 世界的リゾート“ニセコ”にバブル現象?

マグロやトロ、サーモンやエビは、5貫で1500円。

カニ汁は1杯1000円だ。

値段を上げても飛ぶように売れる

他のキッチンカーでは果たしてどんなものが?

札幌市から出店してる弁当やスイーツを扱うキッチンカー。

人気はチキンカレー3000円とかつ丼3000円だという。

「安くしたことがあったが、安いということは品質が下なのと思われて売れなくなったので値段をまた上げた」(出店者)

それでも飛ぶように売れている。

価格急騰も海外客は「安い」

1000円の熱燗を飲んでいた外国人観光客は。

「安い!」(ニュージーランドから)

外国人観光客にとっては安く感じるようだ。

飲食店の予約が取れない

Q:今シーズン、突如キッチンカーが乱立したわけを、ニセコで働いて14年の不動産管理やレストランを経営する事業家・東出翔さんに聞いた。

「ホテルはあるが、レストランの数が足りていない。(レストランの)予約をとってなかった人は、とれないのが現状」(ニセコの事業家 東出翔さん)

北海道倶知安町のベッド数はコロナ禍でも右肩上がりで、現在1万6000以上に及んでいる。

それに対し、飲食店も増加しているものの、席数は2500席ほど。

何か月も前から飲食店の予約をしなければ食事ができないという状況で、登場したのがキッチンカーだ。

キッチンカーを集めた広場

飲食店不足を受け、倶知安観光協会も立ち上がった。

こちらはキッチンカー10台が集まる「イートストリート」。

ゴミ処理やトイレ問題を解決するために協会が設けた広場だ。

“5000円”の黒毛和牛うな丼が売り切れ

黒毛和牛うな丼5000円が、売り切れとなっている。

「高く感じると思うが、店で食べるより安い」(出店者)

札幌の居酒屋が提供する、黒毛和牛うな丼5000円。

翌日以降に使う食材で特別に作ってもらった。

高値でないと「やっていけない」

高騰の背景には、やむを得ない事情もあるという。

「移住してニセコにも家を借りていて、バイトの時給・出店料も高い」(出店者)

「ニセコはぼったくりとよく言われるが、やっていくにはこの値段しかない」(ニセコの事業家 東出翔さん)

土地の所有者に支払うひと月数10万円の出店料に、2000円に及ぶアルバイトの時給。

経営を続けるためには価格を上げるしかないという。

セイコーマートにも海外客の姿が

セイコーマートニセコひらふ店には、多くの外国人観光客の姿が。

北海道民の生活に欠かせないセイコーマートは、外国人にも大人気だ。

「安いと思うし、とてもおいしい」(ノルウェーから)

「セイコーマートは素晴らしい。すごい種類が豊富で驚き」(オーストラリアから)

驚きの物価高の背景を探るとコロナからの復活の機会を捉えた、ニセコの今が見えてきた。

北海道文化放送
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