堺市で大学生の女性をマンションから飛び降りさせ、包丁で刺して殺害した罪に問われている男に対し、検察は懲役20年を求刑した。
■ベランダから飛び降りさせ 路上で倒れていた女性の胸を包丁で刺し殺害した罪
この記事の画像(5枚)山本巧次郎被告(24)は2022年8月、堺市のマンションで、元交際相手で大学生の大田夏瑚さん(当時20歳)の両足などを包丁で刺し、4階のベランダから飛び降りさせてけがをさせた上、路上で倒れていた大田さんの胸を複数回刺して殺害した罪に問われている。
これまでの裁判で山本被告は起訴内容を認めたものの、弁護側は「精神疾患で殺意も責任能力もなかった」無罪を主張していた。
■「強固な殺意に基づく 責任能力は完全だった」検察側は懲役20年求刑
5日の裁判で検察側は、「被害者の傷の一部は背中に達するなど、強固な殺意に基づくもので、事件直後には警察官に自身が殺したと説明するなど責任能力は完全だった」と指摘し、山本被告に懲役20年を求刑した。
■「家族の生活が元に戻ることはない」遺族は死刑求める
また被害者参加制度を利用した大田さんの遺族は、「胸を何度もめった刺しにされるというむごたらしい方法で殺害され、被害者家族の生活が元に戻ることはない」などと述べ、死刑を求めた。
■「異常な行動で責任能力はなかった」弁護側は無罪主張
一方弁護側は、「精神鑑定した医師が精神疾患で錯乱状態だったと指摘するように、そばに目撃者がいる中で被害者を刺しているなど、異常な行動をしていて責任能力はなかった」などとして無罪を主張している。
判決は2月13日に言い渡される。