1月30日、長野県松本市のスポーツクラブの職員らが、プールで心肺停止となった女性を速やかに救助したとして、消防から感謝状を贈られた。スタッフは「息をしてくれ」と無我夢中だったと、当時の緊迫した状況を話してくれた。

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緊迫の救助活動「息してくれ」

感謝状を贈られたのは、松本市のスポーツクラブ「SAM石芝」の支配人・塩原晃明さん(45)。

従業員たちと協力して利用者の命を救った。

塩原さんは、「まずは人の命を助けられたということ、ここがまず第一」と、ほっとした表情で話してくれた。

プールにうつ伏せで浮いている女性を発見
プールにうつ伏せで浮いている女性を発見
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1月4日、巡回していた従業員がプールにうつ伏せで浮いている女性を発見。施設をよく利用する65歳の女性だった。

従業員はすぐに1階の事務所に報告。職員が一丸となって救助活動に当たった。

スタッフ主任の遠藤昌利さんは女性をプールから引き上げ、すぐに心臓マッサージを行った。女性は心肺停止の状態だった。

遠藤さんは、「呼吸なくて、意識もなかったですね。本当に無我夢中です。『息してくれ』くらいしか」と、当時の緊迫した状況を語る。

心臓マッサージを行ったスタッフ主任・遠藤昌利さん
心臓マッサージを行ったスタッフ主任・遠藤昌利さん

脈が出てきた、意識が戻った

支配人の塩原さんは、女性に声をかけ続け、他のスタッフに119番通報するよう指示した。

遠藤さんは、「途中で泡みたいの吹き始めたので、そのあと少し呼吸が戻ってきた。脈を測ったら脈が出てきたので、何とか意識が戻ったんだなと思いました」と、振り返る。

その後、女性は救急車で搬送された。無事に回復し、先日、退院したという。

SAM石芝・塩原晃明支配人(左)
SAM石芝・塩原晃明支配人(左)

女性から感謝の言葉 

塩原さんは、「女性からスタッフのみんなが助けてくれたおかげだと、感謝もいただいたので、何より」と話し、自然と笑みがこぼれた。

今回の行動に松本広域消防局警防課の百瀬志郎課長補佐は、「早い発見、従業員一丸となって救出、119番通報、救命処置を実施してくれたこと。すごくありがたい気持ちでいっぱいです」と、クラブの職員らに感謝している。

スポーツクラブ「SAM石芝」は、ほとんどのスタッフが日本スイミングクラブ協会の救急蘇生法の資格を持っていて、こうした状況への訓練も行っているという。

感謝状を贈られたSAM石芝・塩原晃明支配人
感謝状を贈られたSAM石芝・塩原晃明支配人

(長野放送)

長野放送
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