オリンピックイヤーの2024年が幕を開け、パリオリンピックに向けて始動したアスリートたち。秋田市のエムズスポーツに所属する体操の南一輝選手もその一人だ。
けがで前回の東京オリンピック出場を逃した南選手の言葉には、パリオリンピック出場を目指す強い決意がにじむ。

「着地」で勝ちを手繰り寄せる

「2024年のパリオリンピックに出たい気持ちは強い」パリオリンピックへの思いを力強く話すのは、秋田市のエムズスポーツクラブに所属する南一輝選手。

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南選手は、2023年10月にベルギーで開かれた体操の世界選手権で、団体で8年ぶりの金メダル、種目別の床で銀メダルを獲得した。

エムズスポーツクラブ・南一輝選手:
手応えがあったし、自信にもなったので、今回の大会(世界選手権)はパリオリンピックに向けて良い試合だったと思う。

南選手にとってオリンピックは夢の舞台であり、目標でもある。

エムズスポーツクラブ・南一輝選手:
前回の東京オリンピックで出場がかなわずにテレビで見ることになって、やはりオリンピックの悔しさはオリンピックでしか晴らせない。東京オリンピックのときは、けがで選考途中に1試合出られずに、東京オリンピックに出られないことになった。まずは、けがのない体づくりをして、Dスコア(技の難度)やEスコア(技の完成度)を熟練していって、圧倒的に勝つことを目標にやっている。

「ゆか」の種目が得意な南選手だが、オリンピックで勝つにはまだ何かが足りないと考え、世界選手権での反省を生かし、自らの演技を細かく分析。
大一番に向け、妥協せずに紙一重の部分を強化している。

エムズスポーツクラブ・南一輝選手:
着地の部分が重要になってくると思う。(世界選手権の)種目別ゆかのとき、最後の後方三回ひねりの着地の部分で、そこで止めていれば優勝だったという思いは自分の中でもあって、そこで大きく一歩動いてしまい、結果的に2番だった。当時は「メダルも取れないのでは」と思っていたくらいだった。着地で一つ一つ(の結果)が左右されてくる。着地を止めることで良いこともあるし、団体のときだったら、跳馬のロペス(技)で着地を止めて、そこからチームに良い流れを持ってこられて、そこで団体優勝に貢献できた。着地はすごく重要になってくる。やはり「止めて勝つ」ことが大事になってくる。

ーー勝ちを手繰り寄せる最後の決めを見てくれということですか?

エムズスポーツクラブ・南一輝選手:
自分で勝ちを手繰り寄せる着地をして勝ちたい。

南選手は、今春に開催されるパリオリンピックの代表を選考する大事な大会に出場する予定で、日々練習に励んでいる。

オリンピックへの「挑戦」

一方で、次の世代に体操の楽しさを伝えたいという思いが人一倍強く、時折秋田市の所属先のクラブを訪れては、子どもたちに身振り手振りで熱心に指導している。

エムズスポーツクラブ・南一輝選手:
競技とは違うが、体操というか体を動かすことの楽しさを子どもたちには感じてほしい。痛いことや怖いことも多いが、体を動かすことで楽しいこともあるので。

子どもたちの笑顔を原動力に、オリンピック出場、そしてその先へ。
南選手にとっての2024年のテーマは「挑戦」だ。

エムズスポーツクラブ・南一輝選手:
自分が代表に入って、オリンピックでも金メダルをつかみにいく1年なのかなと思う。まだまだ自分のできていない着地の弱さや決めきれない弱さもあるので、そこを磨いて、成長できる1年にしていきたい。(出場できれば)オリンピックは初めてだし、決まったわけではないが、オリンピックに挑戦する年にもなるので、自分の力を出せるように挑戦していきたい。

南選手の2024年に注目だ。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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