東京・北区の住宅街にある「空き家」。
家主が亡くなり約20年にわたって放置され、がれきの山のような危険な状態になっています。

解体が決まった空き家 2023年5月近隣住民撮影
解体が決まった空き家 2023年5月近隣住民撮影
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この危険な空き家について、今週ようやく事態が動きました。

壁崩落の“危険な空き家” 生活の痕跡も

解体が決まったのは、JR赤羽駅から徒歩で約15分。住宅街の路地奥にある、築約80年の木造平屋の住宅です。

近隣住民:
もうずっと迷惑ですよね。動物がすみ着いたり、生き物がすみ着いたり。においもちょっとあるし。

近隣住民:
ガラスが飛び散る、瓦が落ちる、もう危険がいっぱい。
もう私たちは、静かに我慢することしかできなくて。

めざまし8取材班が、近隣住民の許可を得て、庭から見せてもらうと…。

屋根が崩れがれきの山と化した空き家 1月23日
屋根が崩れがれきの山と化した空き家 1月23日

取材スタッフ:
玄関側の壁はかろうじて残っているんですけれども、屋根も壁も崩れてしまっていてがれきの山と化していますね。

柱や家財道具が吹きさらしの状態で残る
柱や家財道具が吹きさらしの状態で残る

目の前にあったのは…屋根が落ち、壁が崩落した状態の空き家。
部屋は原形をとどめず、家の柱や家財道具が吹きさらしの状態で、残されていました。

壁にはタオルや温度計のようなものがかけられている
壁にはタオルや温度計のようなものがかけられている

取材スタッフ:
あちら奥の壁にはですね、タオルと温度計のようなものがかけられています。ところどころ、人が生活していたような痕跡が、今も残っています。

給湯器が設置された台所など生活の痕跡が
給湯器が設置された台所など生活の痕跡が

給湯器が設置されている台所や本棚に残された百科事典など、生活の痕跡が残っています。

近隣住民が問題訴え行政代執行へ

長年放置され、朽ちていく空き家…。

近隣住民:
去年(2023年)の6月にその雨風でガーと落ちて、ダダダダダとすごい音がして落ちて、それでうちの方にこうささってきちゃったんで…。

<近隣住民のメモより>
令和5年の6月2日(金)PM9時30分 線状降水帯の大雨でくずれ落ち、塀が曲がり壁に当たっていた。

近隣住民によると、2023年6月の大雨で屋根が崩れ落ち、木の柱が、設置したフェンスを越えて敷地内に倒れてきたといいます。

また、別の住民は…。

近隣住民:
これをもう毎日見て生活している状態で、どこのお部屋からも、もう見えますので。

どの部屋からも空き家が見えるため、カーテンを閉め切って過ごす日々…。

近隣住民:
草取りしたってさ、上を心配しながら草取りしなきゃいけないわけ。落ちてくるから瓦がね。

空き家の屋根から落ちてきた瓦が当たるのではないかとおびえながら庭の草取りをしているといいます。さらに…。

野生動物がすみ着く? 2021年4月近隣住民撮影
野生動物がすみ着く? 2021年4月近隣住民撮影

近隣住民:
変な動物がすみ着いたりするから。ハクビシンなんかうちね3年ぐらい夜中に来てたの。タヌキもすみ着いていたので…。対処の仕方が分からなくて。

空き家に野生動物がすみ着き、落ち着いて過ごせない日々が続いていたといいます。
こうした近隣住民からの訴えを受け、北区は、倒壊の危険があるとして空き家対策特別措置法に基づく「特定空き家」に認定。

家の法定相続人9人と連絡を取り撤去について話し合ったといいますが、改善される見込みがないため、行政代執行に踏み切ったのです。

「空き家特措法の改正」空き家問題の今後

今、全国各地で起きている「空き家問題」。
総務省の調査によると、全国の空き家は848万戸以上。都内だけでも約81万戸あります。
対策が急務となる中、新しい動きについて、空き家問題に詳しい明治大学の野澤千絵教授に伺いました。

明治大学 野澤千絵教授:
「特定空き家」になってしまったらどうしようもない状況が全国各地で分かってきた、ということがあって、今回「空き家特措法の改正」というのがありました。

これまでは、放置すると倒壊の危険があるなど、特に危険性のある物件を「特定空き家」に認定し、行政が撤去するなどしていましたが…。

2023年の年末、新たにその前段階の「管理不全空き家」という区分を設け、自治体が直接関与できるようになったのです。

明治大学 野澤千絵教授:
これまでは「特定空き家」等というものに対してのその土地の固定資産税の優遇措置を止めるというものでした。今後は管理不全で(勧告)されることでも、税金が高くなる状況になるということです。

近隣住民の安全を脅かすこともある「空き家問題」。今後、求められることは…。

明治大学 野澤千絵教授:
周辺に影響があるなという状態の空き家を見つけた場合には、やはり市町村の空き家担当課に連絡してください。危険な空き家があると、災害時に周辺を危険にしてしまうので、早め早めに対応していくということが大事。

(「めざまし8」1月24日放送より)