豪雨の影響で浸水した福岡県朝倉市の原鶴温泉の旅館が、7月17日に再オープンした。
新型コロナウイルスによる休業から明けた矢先の豪雨被害。わずか10日余りで再開にこぎ着けた旅館を取材した。
コロナ休業明けに記録的な豪雨で浸水
創業71年を迎える原鶴温泉の老舗旅館「泰泉閣(たいせんかく)」。

6日から7日にかけての記録的な豪雨で、近くの用水路からあふれた泥水が流れ込み、大人のひざほどまで漬かってしまった。
3年前の九州北部豪雨でも浸水した泰泉閣は、前回を教訓に備えたため、畳など一部は被害を免れたものの、調理場や食事所がある1階は2日間にわたって水に漬かり、大部分が使えなくなった。

オープン前日に旅館の命「美肌の湯」も 「今まで通り。ほっとしています」
再開が翌日に迫った16日も、浸水した1階の食事所を中心に、スタッフ総出で朝から片付けを進めていた。食事所の床は全て新しく張り替えられ、辛うじてぬれずに済んだ畳も元通りに敷かれている。
茶色い泥水があふれていた調理場も…。

林恭一郎社長:
きれいに消毒して、きょう(17日)から仕込みも始まっていますので
すっかりきれいに掃除され、料理人の活気にあふれていた。
再開早々に来てくれる予約客を迎えるため、早速、仕込みも始まっている。
そして、そのすぐ脇には大量の食器が積まれている。団体客も訪れる泰泉閣で使われる食器の数は3000枚以上。
水に漬かって食器洗い乾燥機が壊れてしまったため、全てスタッフが手洗いしたという。

ーー修理は間に合いそうですか?
上船昌幸調理長:
きょう(17日)の夕方には修理できて、それからみんな社員総出で漬かった器の洗浄・消毒に。もう一度ここで消毒する作業をきょう(17日)の夜から
泰泉閣の命とも言えるのが、温泉「美肌の湯」だ。
源泉をくみ上げるポンプが泥水に漬かり、一時は濁ってしまっていたが…。

林恭一郎社長:
今まで通りですね。原鶴の素晴らしいお湯が出るようになりましたので、ほっとしています
壊れたポンプを交換したことで、透き通ったお湯が戻った。細かな泥までモップで丁寧に洗い流し、オープン前日にようやくお湯を張ることができたという。
被害から10日余り…再オープンの朝
林恭一郎社長:
この温泉を楽しみに、たくさんお越しになられるので、ここをしっかり準備しておかないといけないので、よかったです
被害から10日余り。泰泉閣は再オープンの朝を迎えた。

林恭一郎社長:
(コロナで)休業から再開明け1週間でこうなって内心かなり不安を抱えていた社員・スタッフも少なからずいたのではなかろうかと思います。おかげさまで予定通り再開できたことにみなさんに感謝いたします

17日午前11時過ぎ、早速、予約客1組が訪れた。
ーーどちらから?
予約客:
福岡市です
ーー予約はいつ?
予約客:
2週間、雨の降るちょっと前です。雨で大変なので行けるかなと思っておりましたけど、皆さん協力されてここまで再開していただいてとってもうれしいです
ーー何を一番楽しみに?
予約客:
お食事とエステに温泉に
昼時を前に、厨房も慌ただしくなってきた。
上船昌幸調理長:
お客さんに提供するのは気持ちが引き締まる。さぁやるぞ、という気持ち
床を張り替えるなど生まれ変わった食事所で、丹精込めて作られた料理に舌鼓を打つ。

利用客:
すごくおいしくて朝抜いてきて良かった
ーー浸水被害にあった場所と気づいた?
利用客:
それもわからないくらいきれいになってましたね。お風呂もきれいにお掃除されていて

新型コロナに豪雨の被害と、短期間にいくつもの困難に立ち向かってきた原鶴の老舗旅館は、この日無事に新たなスタートを切った。
(テレビ西日本)