石川県では、能登半島地震で8人の「災害関連死」が確認されている。専門家は、災害関連死を防ぐのに3つの要素が重要だと話している。
石川県輪島市の高齢者向け介護施設では、リハビリやレクリエーションなどで使われていたスペースが、地震の影響で使用できない状態となっていた。

窓も大きく割れてひずみ、外の雨音も聞こえてくる。入居者が生活の場としていた2階全体は、地震で壊滅的。2つのマットの上に、3人が身を寄せ合いながら寝なければならない状況だ。

入所者(1月9日):
お風呂に入りたいですし、温かいもの食べたいですし、ゆっくり寝たいです。少しでも良くなってくれればと思います
避難生活が長引く中、懸念されるのが地震被害が直接の原因ではない「災害関連死」だ。これまでに珠洲市と能登町で8人確認された。
この関連死を防ぐには「3つの要素」が重要だと、避難所・避難生活学会の水谷嘉浩さんは話す。
避難所・避難生活学会の水谷嘉浩常任理事:
命をつなぐ3つのキーワードがあるんですけども、「TKB48」と言っています
「TKB」とはトイレ・キッチン・ベッドの頭文字。快適で十分な数のトイレ、暖かい食事、雑魚寝しなくよい簡易ベッドを、48時間以内に避難所に届けることが重要だという。

しかし今の被災地では、いずれも十分ではない。
避難所・避難生活学会の水谷嘉浩常任理事:
かなり我慢をされているということでした。体力もそうですし、だんだん衰弱もしていきますので、災害関連死が拡大しないかどうか非常に心配しています
愛知県弥富市に工場を持つ東明工業は、段ボール製のベッドを製造していて、能登半島地震の被災地にも届けられないか、石川県に申請中だという。

東明工業ロジスティクス事業部の担当者:
被災されているところでは負担と先の見えない不安と、そういったことで日々過ごされていると思いますので、少しでも負担と不安の軽減につながればなという思いでございます
(東海テレビ)