能登半島地震発生から10日目。石川県の発表によると、10日午後2時時点で206人が死亡、52人が安否不明となっている。NBSの記者は、FNN取材団として地震直後から7日まで現地で取材した。被災地では救助、捜索活動のために必要な重機や大型車両が圧倒的に足りていないという。

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NBS宮原將樹記者(1~7日、FNN取材団の一員):
「私は被害の大きかった珠洲市、輪島市などを取材しました。多くの建物が倒壊し、救助活動が行えていない現場も多く今も被害の全容はつかめていない状況です」

金沢から珠洲で車で6時間以上…

被害の大きかった珠洲市や輪島市は多くの建物が倒壊、断水や停電も続き、もちろん宿泊施設は営業していなかった。私たちは金沢市内で宿泊し、毎日、現地に向かった。

道路も多くが被災し、通常、金沢から2時間程度で行けるが、渋滞などもあり、6時間以上かかった。

被災した道路(4日珠洲市付近)
被災した道路(4日珠洲市付近)
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被災住宅が道を塞ぐ

NBS宮原將樹記者(1~7日、FNN取材団の一員):
「住宅が倒壊し骨組みがむき出しになっています。また近くの住宅もほとんどが倒壊していて、道路は通れない状況です」

珠洲市内に入ると、ほとんどの建物が倒壊し道を塞いでいた。

被災住宅が道を塞ぐ(4日・珠洲市)
被災住宅が道を塞ぐ(4日・珠洲市)

高齢女性「父さんが下敷きに」

自宅の倉庫を片付ける86歳の女性。地震直後に自宅が倒壊したが、何とか窓から逃げ出したという。ただ、88歳の夫が下敷きとなった。

自宅が倒壊した女性:
「父ちゃんが下敷きになって『死ぬわや』『死ぬわや』と。声だけかすかに聞こえて、どこにおるか分からんかったです」

緊迫した状況を語ってくれた86歳女性
緊迫した状況を語ってくれた86歳女性

たまたま消防が近くにいたため、夫は4時間後に救助され、大きなけがはなかったという。

自宅が倒壊した女性:
「(夫は)この穴から出てきた。本当に消防の人のおかげ」

このがれきの隙間から救出されたという
このがれきの隙間から救出されたという

立ち尽くす住民…

消防や警察の懸命の救助活動は続いているが、道が悪く重機が入れなかったり、救助隊の人数が足りなかったりして、現在もほとんど手つかずの現場もある。

倒壊した住宅の前に立ち尽くす住民。地震から4日たっていたが、世帯主の高齢男性と帰省していた女性の2人が下敷きとなったままだった。

市内の別の地区から駆け付けたという男性は、涙をふきながら「早く助け出してあげたいが、自分たちでは何もできない」と語っていた。

救助、捜索活動のためには重機や大型車両が必要だが、珠洲市では圧倒的に足りていない。

立ち尽くす住民(4日・珠洲市)
立ち尽くす住民(4日・珠洲市)

(長野放送)

長野放送
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