早くもバレンタイン商戦がスタートしている。各百貨店ではパティシエによる実演販売や、豪華なアフタヌーンティー、国産素材の使用がトレンドとなっており、消費者は限定感や特別感を求め、バレンタインデーの過ごし方が多様化している。

各百貨店でバレンタイン商戦スタート

早くもバレンタイン商戦がスタート。2024年はコロナ禍が落ち着いたことを受け、店頭に足を運んで楽しんでもらうことを売りにした商品が揃った。

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岩田真由子記者:
会場では、シェフが目の前で作ってくれたパフェや、チョコレートに合うお酒も楽しめます。

松屋銀座では、パティシエが目の前で調理して、実演販売する店舗数を2023年より増やした。「来店したからこそ、特別感を味わいたい」という需要を取り込む狙いだ。

一方、高島屋では、世界トップクラスのパティシエなどを招いて、作りたてのデザートを実演販売する。

また、さまざまなチョコレートを味わえる7700円の豪華なアフタヌーンティーのほか、円安で値上がりしたカカオを、ビスケットなどの他の素材と組み合わせて価格を抑えた商品も展開している。

財布のひもが緩む“トキ消費”

「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
バレンタインデーのチョコレート、もらっても、贈っても、笑顔になれて、自分で食べても美味しいですよね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
日本では愛を伝える日から、チョコレートの祭典へと完全に変わっている。年に一度、日常を贅沢に彩りたいというニーズが強く、みんなでチョコを楽しむカルチャーが定着しつつある。

松屋銀座の調査によると、バレンタインデーの買い物は、節約を意識しないという人が7割を超えている。しかも良いものは現物を見極めたいということで、オンラインではなく、リアル店舗で買いたいという方が4倍以上となっている。

堤 礼実 キャスター:
確かに、どんなチョコレートがいいのか買いに行くのも楽しいですよね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
いまバレンタイン商戦は、ある特定の期間や場所でしか楽しめない「トキ消費」が展開されている。

例えば松屋銀座では、バレンタイン催事を行う82ブランドのうち17ブランドが実演のイートインコーナーを展開していて、年に一度、そこに行かないと食べられない「トキ消費」の限定感が打ち出されている。

身近・安価な国産素材で差別化

堤 礼実 キャスター:
そのトキ消費を楽しむバレンタイン商戦で、2024年のトレンドについては、いかがですか。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
やはり限定感のあるメニューが売れ筋商品となるが、2024年は日本産の素材使用がキーワードとなっている。

何より国産素材は、こだわりの食材が多く、差別化のポイントにもなる。そのため、海外素材の価格高騰もあり、2024年は国産素材に切り替える例が多い。

実際に、松屋のバレンタイン主力商品42のうち、確認できるだけで18は国産素材を使っている。

例えば、青森産の「弘前の唐辛子」を使用したボンボンショコラや、愛媛県宇和島産の早生みかんを使ったオランジェットなど、この時期しか食べられない限定感がある。

堤 礼実 キャスター:
百貨店のバレンタイン・フェアを楽しみにしている方も、多いかもしれませんね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
百貨店を中心とするバレンタイン催事は世界屈指の展開となっており、今後、グローバル的にも注目を浴びそうだ。

ただ、高島屋のクリスマスケーキ崩壊問題もあり、今後はしっかりとしたトレーサビリティが、より求められていきそうだ。

堤 礼実 キャスター:
バレンタインデーの過ごし方はさまざまですから、負担にならない形での、誰かへの贈り物だったり、自分へのご褒美を楽しむきっかけになると、いいですね。
(「Live News α」1月9日放送分より)

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