2023年は値上げが相次いだ年。さまざまな食品の価格が高騰し、食卓を直撃した。
2024年こそはと祈りたい気分だが、一体どうなるのだろうか。
食品のプロに先行きを聞いた。
2023年は“過去30年まれに見る”値上げの年
買い物をしている人に、2023年にどんな食品が値上がりしたかを尋ねると。
「全部。元と同じ値段のものがあるとびっくりするほど」(買い物客)
「以前は割引セールをよくやっていたが、その回数が減っているような気がする」(買い物客)
民間の調査会社によると、2023年に値上げされた食品は3万2000品目あまり。
2022年と比べ約6600品目増え、過去30年間でまれに見る多さだという。

2024年はどうなるのだろうか?
菓子類は値上がりか
札幌市で「食品スーパーマルコ」を経営する“食品仕入れのプロ”に見通しを聞くと、すでに2月の出荷分からチョコレート・ガム・ビスケットなど、菓子類の値上げが決まっているという。

「11月に砂糖の値上げが発表されたのに加え、燃料費や賃金の高騰をメーカーが吸収できないことから2~3月に価格を改定する」(マルコストアー 山川 悟史 社長)
山川社長によると2023年に110円に値上げされた品物が、さらに10円上がり120円になるイメージだという。
小麦製品は値下がりか
反対に値下げされそうなのが小麦製品。

ロシアによるウクライナ侵攻で2年前に小麦の国際価格が跳ね上がったが、徐々に落ち着いてきた。

政府は2023年10月、企業への輸入小麦の売り渡し価格引き下げを発表。
一部の大手メーカーは2月出荷分から、家庭用の小麦粉やパスタの値下げを発表した。
「カレー粉などにも小麦は使われているが、他の原料の値上げが大きく値段が下がることは見込めない」(山川 社長)
加工食品は値上がり続く見通し
原材料の一部の価格が下がっても、燃料や包装資材などの高騰が収まらない限り、加工食品の値上がり傾向は続くという。

それでは、家計を悩ませてきた卵の価格は。
卵は値下がりか
「久しぶりに、若干下がった価格で販売できる見込み。Sサイズの卵は1パック税別198円で販売しているが、20~30円下がると思う」(山川 社長)

野菜や鮮魚はどうなるのだろうか。
旬の生鮮食品はお買い得
札幌市中央卸売市場によると、いま野菜は北海道産の越冬もののキャベツ・ダイコン・ホウレンソウが旬で値ごろだという。
鮮魚の見通しを、市場に立つこと20年以上のベテランに聞くと、この季節は新鮮なタラの白子の料理や、カジカ鍋がおすすめだという。
「石狩湾でのニシンの水揚げが1月中旬から本格的に始まる。タラは北海道各地のいろいろな地域で水揚げされるので、この時期は良い」(丸水札幌中央水産 宮崎 烈史さん)

2023年、中国への輸出が停止され国内での消費拡大が叫ばれたホタテ。
年末年始は高値傾向だったというが、この後は?

「2~3月はホタテの水揚げが増え、値段が下がり食卓に上りやすい」(宮崎さん)
加工食品の値下げが期待できないなか、旬の生鮮食品を組み合わせ上手にやりくり。
そんな、2024年のスタートとなりそうだ。