12月26日、大阪・池田市にあるダイハツの本社工場の稼働が停止しました。
これで、国内にある4つの工場すべての生産が止まったことになります。

少なくとも来年1月末までは生産を止める見通しで、再開のめどは立っていません。

同じ日に、大阪の池田市にあるダイハツ車の販売店では、店員が電話対応に追われていました。

大阪・池田市 ダイハツ車の販売店店員:
どうもお世話になっております。昨今のニュース報道の件でお電話させていただきまして、長くお使いのお車でメーカーの方で信用を失うことをしてしまいまして…しっかりと異常がないかうちの方でも点検させていただきますので。

第三者委員会の発表によると、車の安全性を確認する国の認証試験で30年以上にわたり174個もの不正を行っていたとされるダイハツ工業。
購入者・販売店・下請け企業・地元…その影響が、今、広範囲に及んでいます。
対応に追われる販売店を「めざまし8」が取材
「めざまし8」が取材したのは、大阪・池田市にあるダイハツ車の販売店。

大阪・池田市 ダイハツ車の販売店店長:
のぼりは撤去していますので、こちらにあったのぼり等は…。
――それはメーカーから指示があった?
販売自粛ということもありますので、のぼりを立てているのはおかしな状況だと思いますので。

こちらの店舗では、不正が明るみに出る前に20件の新車販売の契約が成立していたといいます。

――契約をキャンセルするお客さんは?
大阪・池田市 ダイハツ車の販売店店長:
日に日に増えていまして、今日現在では5件ほど、お客さまにキャンセルしていただいております。
こういうニュースがあったので、こういう車には乗れないというお声は頂いております。新車を検討されるお客さま、新規のお客さまは全くこの1週間ほどはご来店されない状況です。
“不正”公表の対象車種、乗り続けることは可能?
そもそも、“不正”の対象車種でも乗り続けることに問題はないのでしょうか?「ダイハツ工業」は、めざまし8の取材に対し以下の回答を寄せました。

<ダイハツ工業からの回答>
不正が発覚した項目について 新たに自社で再検査を行いました。その結果、不正があった車種についてはそのまま乗っても問題ないと判断しています。

帝国データバンクによると2023年時点で、ダイハツ工業と取引のある企業は、間接的な下請けなどを含めると8000社以上。それらの企業に派生する売上高の合計は、推計2兆2000億円以上に上ります。
下請け業者、近隣飲食店…どこまで影響は広がる?
大阪・門真市に本社がある、ダイハツの2次下請けにあたる金型メーカー川中グループにも大きな影響が予想されるといいます。

川中グループ 川中洋二会長:
車の給油口に使われる部品、その金型を生産しているのですが…。納品すべき金型が置いてあるということは生産が中断しているということです。
何度も何度も催促しています。いつまでも置いておいたらさびるし、うちも狭いからおいておけないから、早く納品してくださいと言ってるんですけどね。

こちらの会社では、35年ほど前からダイハツと取引をしていて、売り上げの3割をダイハツ関連が占めているといいます。

車の生産が停止したことによる損失額を伺うと…。

川中グループ 川中洋二会長:
2億円くらいですね。ものすごく大きな打撃を受けています。まずはありえないですね。こういう経験はないです。
影響は車関連以外にも広がる可能性があります。ダイハツ本社工場近くの飲食店を取材すると…。

くろ川店主 黒川清澄さん:
うちはダイさん(ダイハツさん)は大常連なので、これから新年会、新入生歓迎会、送別会もあるだろうし…、どうなるのか心配です。
(めざまし8 12月27日放送)