“最強寒波”が流れ込んだ影響で、北陸地方など日本海側で大雪となっている。その要因としてよく言われるのが、「線状降雪帯」だ。

「線状降“水”帯」とは違い、あまり聞き慣れない「線状降“雪”帯」だが、正式名称は「JPCZ=日本海寒帯気団収束帯(かんたいきだんしゅうそくたい)」という。

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冬に北から強い寒気が流れ込むと、中国と北朝鮮の境界にある高さ2744mの「白頭山(ペクトゥサン)」で“二手”に分かれる。

その後、日本海で再び合流するが、ここで風がぶつかることで雲が発達しやすくなる。そして、日本海で発生する水蒸気を取り込みながら日本列島にやってきて、大雪をもたらすということだ。

12月22日の実際のレーダー画像を確認すると、日本海から日本列島に“線状の雲”が伸びているのが確認できる。これが「JPCZ」だ。

「JPCZ」のメカニズムを解き明かそうと、調査が進められている。水産大学校の「耕洋丸(こうようまる)」という実習船に乗り込んだのが、気象学が専門の三重大学・立花義裕教授らの研究グループだ。

立花教授らは実際に、冬の日本海に出て風船を飛ばした。

雪雲付近の温度や湿度のデータを調べたり、海水温を調べたりして、JPCZが発達するメカニズムを調べている。

明らかになってきたことは、2023年の猛暑で水温が高くなったため、日本海から立ち上る水蒸気の量が多くなり、“大雪につながっている”ということだ。

22日夜から23日にかけて、岐阜県の平野部でも雪が降るところがあり、今後の情報に注意が必要だ。

(東海テレビ)

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