日本最大の湖、滋賀県の琵琶湖。渇水による水位の低下に続き、さらなる異変が起きている。

観光地化により悪影響も…

滋賀・長浜市にある「奥の洲(おくのす)」。渇水の影響で“幻の道”が出現し、12月19日も見物客が訪れていた。

(滋賀・長浜市)
(滋賀・長浜市)
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奈良県から来た観光客は「日本のモンサンミッシェルという話もあったので、一度見に行こうかなと」、また愛知県から来た観光客は「貴重な体験ができて、ちょっとうれしいですね」と話していた。

しかし、観光地化したことで周辺への悪影響が心配されている。

周辺への悪影響を心配
周辺への悪影響を心配

奥の洲とその周辺には、県が条例で保全に努めるよう求めている「保護地区」に指定されたヨシの群落がある。県によると、条例で立ち入りは禁止されていないが、一部のヨシが訪れた人によって踏み倒されていたという。

影響は水鳥たちにも及んでいた。野鳥センターによると、人が訪れるようになって以来、水鳥の生息場所が移動しているという。

さらに琵琶湖の別の場所では、“大量死”が起きていた。滋賀県によると、14日~18日までに大津港周辺でオオバンなどの水鳥が、少なくとも40羽~50羽死んでいるのが確認されたという。

5年ほど前から野鳥観察を続けている中学生もショックを受けていた。

野鳥観察を行う中学3年生:
3kmくらい歩いて、130羽ほど(の死骸)。ここまでの数は初めてです。できるだけ早く原因を調べるようにしていただきたいなと

本来、野鳥の死骸が複数見つかった場合は、鳥インフルエンザの検査をすることが決まっているが、今回見つかっている死骸は損壊や腐敗が激しく、検査は実施できていない。

県は監視を続け、感染症対策として野鳥への餌やりなどは控えるよう呼びかけ
県は監視を続け、感染症対策として野鳥への餌やりなどは控えるよう呼びかけ

滋賀県の三日月大造知事は「あまりにもひどい状況に対しては、何らかの対応も必要なのかもしれません」と話し、県は監視を続けるとした上で、感染症対策として野鳥への餌やりなどは控えるよう呼びかけている。
(「イット!」12月19日放送)

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