熱々のご飯にたっぷりと乗ったウニとイクラ。

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とろけるような濃厚な味わいが人気だ。

北海道釧路市の「和商市場」にある海鮮丼が人気の「露風庵」では、2023年はウニが多く入ってきているという。

「うれしい限り。以前と比べ値段が安くなっている。漁が回復し、客に喜んでもらえるものを出せるのはありがたい」(露風庵 横田 國勝さん)

ウニ漁が復活の兆し

北海道東部の厚岸町では12月1日からウニ漁が始まり、12月12日は約800キロを水揚げした。

状態も良く、2023年の漁獲量はすでに3トンほどに上っている。

「食べる餌がいっぱいあるので身入りは良い。赤潮後に放流した稚ウニも順調に育っている」(ウニ漁師 横田 秀敏さん)

2021年、北海道東部沿岸を襲った赤潮。

被害額は10億円 赤潮被害で大きな打撃

厚岸町のウニ漁も大きな打撃を受けた。

海底のウニの8割が死に、被害額は厚岸町だけで約10億円にのぼる。

「死んでいくウニは、とげがなくなっている。海域によっては全滅の場所もある。4~5年で回復できないのなら、自分の代で船を動かせるかどうか」(ウニ漁師 横田さん 2021年取材当時)

厚岸町では稚ウニと呼ばれる小さなウニを放流して育て、4年後に水揚げする「地まき方式」をとっている。

成長中の稚ウニも赤潮の被害にあったため、国の補助を受けながら稚ウニの放流を続けていた。

あれから2年。

水揚げ量は赤潮前に及ばないものの、生き残ったウニや新たに放流したものは順調に成長しているという。

「大変だった、赤潮から2年。当時は商売にならないと思っていたけれど、良い方向に向かっているという感じ。2023年は10~15トンを目標に水揚げしたいと思っている」(ウニ漁師 横田さん)

ウニ1パック980円 今がお得

久しぶりの明るい話題。年末を迎え札幌市では、ウニの値段はどうなっているのだろうか?

札幌市手稲区のスーパー「キテネ食品館」ではロシア産のウニが値下げされて、1パック税別980円で売られていた。

ウクライナ侵攻に対する制裁措置でロシアからの輸入禁止措置が取られているが、水産物はその対象外だ。

1パック税別980円という、安さのわけは。

「赤潮の影響で禁漁だったのが解禁され、市場に出てきているので安く売っている」(吉本水産 東城 哲也 店長)

この日、仕入れたウニは100パック。

安い値段はいつごろまで続くのだろうか?

「クリスマス前ころから需要が高まるので、値段が上がる傾向にある。できるだけ今の値段に近いよう頑張るが、安く食べるなら今」(東城 店長)

年末年始を控え、海産物の需要が高まる時期を迎える。ウニのほかに、お得なものはあるのだろうか?

マダチやタラもお得

「マダチやタラの身を安く提供している。年末やクリスマスに向けて、毛ガニやタラバガニなどもおすすめ。小さいものでは2000円から1万円まで、いろいろな大きさをそろえている」(東城 店長)

新型コロナが5類に移行して初めての年末年始。買い物にも変化が。

「お正月や年末用に買って冷凍しておく。カニも普段はこのサイズだったら1万円ぐらいするものが安い。年末くらいは、ちょっと豪華にしたい」(買い物客)

物価の高騰が続いた2023年。年末年始はお得に過ごしたい。

北海道文化放送
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