先日、長野県須坂市の三木市長の「LINE」アカウントが乗っ取られ、市長になりすましたメッセージが多くの人に届いた。その中の一人が実際に電子マネーで20万円分を送る被害にあっていたことが分かった。県内でLINEの乗っ取りが相次いでいて、県警が注意を呼びかけている。
「許せない、処罰してほしい」
「許せません、処罰してほしい」
怒りをあらわにする須坂市の女性。電子マネー20万円分の詐欺被害に遭った。
発端は…。
「今、忙しい?」
12月4日に女性に届いた「LINE」のメッセージ。アカウントは須坂市の三木市長のものだった。
もともと、三木市長と知り合いだった女性は疑うこともなく、このアカウントに「大丈夫です」などと返信していた。

「電子マネー買ってきてくれる?」
するとすぐに相手からメッセージが…。
「急いでコンビニで電子マネー買ってきてほしい。できれば急いで。お金はあす返します」
女性は求められたとおりにコンビニ店で電子マネー20万円分を購入。指示されたとおりに送ってしまった。

被害女性「全然疑わなかった」
被害にあった女性は、「全然疑いませんでした。市長は一応、名前とお金を持っている。お金に困っていない人だから20万円くらいなら返してくれるだろうな」と、疑う余地もなく行動してしまったという。
そのまま1週間がたち、女性は再びそのアカウントに「そろそろお金を返してほしい」と送ると、相手からは「銀行口座番号を教えてほしい」とメッセージが届いた。
ようやく「おかしい」と思った女性。12月14日、須坂警察署に相談し詐欺被害にあったと気付いた。
被害届を出す予定だ。

市長のアカウントが乗っ取られる…
実は三木市長の「LINE」のアカウントが乗っ取られていて、メッセージは市長本人のものではなかったのだ。
三木市長も知人のアカウントからメッセージが届き、誘導されたサイトにログインし個人情報を入力して乗っ取られる被害に遭っていた。
市も公表しホームページなどで注意を呼びかけた。

被害を防ぐには
県警によると、こうした知人のアカウントからのメッセージでLINEを乗っ取られたり、知人のアカウントから金を求められたりする相談が11月から急増。
これまで月に1、2件ほどだったが、11月は22件だった。
被害を防ぐための対策はまず、自分のLINEを乗っ取られないこと。そして、乗っ取られたLINEのメッセージに気を付けること。

県警サイバー犯罪捜査課の澤渡知成さんは、「乗っ取られないために、LINEの設定画面から他の端末からのログイン許可をオフにして、現在使用しているスマートフォン以外の端末からログインできないよう設定すること、また、詐欺被害に遭わないために、知人からの連絡であっても電子マネー購入やID・パスワードの入力を求められたら詐欺を疑う」と、注意を呼びかけている。

悔しい、自分が許せない
「悔しいですね。だまされた自分が許せない」と、後悔する女性。
今回、被害が広がらないようにとNBSの取材を受け、犯人とのやりとりを一部始終、語ってくれた。
なお、LINEの運営会社もホームページで被害防止や対策を紹介している。

(長野放送)