軍事偵察衛星の打ち上げを成功させ、軍事力を誇示する北朝鮮。そのウラで日本が開発する切り札とは?フジテレビ能勢上席解説委員が解説する。
核戦力との連携が懸念される「万里鏡1号」
11月、軍事偵察衛星「万里鏡(マンリキョン)1号」の軌道投入に成功したと発表した北朝鮮。2度の失敗を経ての成功だった。
この記事の画像(14枚)5月に失敗した際は、韓国軍が残骸を回収。センサーが市販のデジタルカメラだったと報じられている。
フジテレビ能勢上席解説委員:
高度約500キロの宇宙からの撮影だと「縦横3~5メートル程度の物体が識別できる程度」の解像度とされていて、12月打ち上げられた韓国初の偵察衛星どころか、欧米の商用民間衛星にも及ばないとの見方もある。
この万里鏡1号、核戦力との連携が懸念されている。
北朝鮮メディアは、2023年3月、戦術核弾頭と称する「火山31」と、それを搭載できるミサイル等を並べた画像を紹介。さらに模擬核弾頭を載せたミサイルを標的上空500メートルで爆発させたと発表。
もし核弾頭なら、爆発威力は第二次世界大戦中に広島に投下された原爆「リトルボーイ」を上回るとの見方がある。
フジテレビ能勢上席解説委員:
万が一、リトルボーイを上回る威力の核兵器が 第二次大戦と同じ高度500メートルで爆発したら、被害の範囲は同様の半径2キロ以上となり、それだけ広ければ、目標地点の確認は市販のデジカメ程度の精度で十分というのでしょうか。もしそうなら、物理的には万里鏡1衛星は、核攻撃システムの一環となるかもしれず、ミサイル防衛はますます重要になるでしょう。
迎撃手段として注目の「レールガン」
ただ北朝鮮は、その先をも見据えているようだ。
7月のパレードに登場した火星12Bミサイル。先端部は、巨大な緑の滑空体=グライダーで、マッハ5以上の極超音速で不規則な軌道を描き、日米韓のミサイル防衛をかわして標的を目指すとみられている。
こうした脅威に対抗することも視野に、実用化を目指しているのが、火薬を使わない大砲「レールガン」。 砲弾を電気エネルギーで、火薬より速い速度で打ち出すというものだ。
フジテレビ能勢上席解説委員:
防衛装備庁が構想しているのが 「対空レールガン」です。極超音速かつ不規則に飛ぶ極超音速ミサイルに向かって、砲弾を極超音速で連射、撃墜することを目指しています。すでに120発の繰り返し発射に成功。
8月には、世界で初めてレールガンの洋上射撃にも成功した。
迎撃困難な兵器として、各国が開発・配備を急ぐ極超音速ミサイルと、その迎撃手段としても注目されるレールガン。 日本の安全保障は、この新たな技術の確立で未来が開けるのだろうか。
(「イット!」12月17日放送より)
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