スキー場が思い切った取り組みを始めた。燃料代の高騰などで経営環境が厳しい中、長野県木曽町のスキー場は「週休2日制」を導入。また、木島平村のスキー場は「冬の女王」とも呼ばれる人気歌手の曲名にあやかって誘客を図ろうとしている。

珍しい「週休2日制」の導入

雲一つない青空と冠雪の御嶽山。長野県木曽町の「開田高原マイアスキー場」は、昨シーズンより9日早く、8日に営業をスタートした。

スキー場は昨シーズンから岐阜県の精密部品加工の豊実精工が運営している。

昨シーズンの利用者は約2万3千人。平日は利用者が少なく、50万円以上の赤字が出る日もあった。

開田高原マイアスキー場
開田高原マイアスキー場
この記事の画像(7枚)

そこで、スキー場は今シーズン、ある大胆な取り組みを始める。

それは「週休2日制」の導入。

電気代・燃料代の高騰や人手不足が続く中、考えたのが毎週火曜と水曜を定休日とするというもの。

開田高原マイアスキー場の松本富士夫支配人は、「電気代の高騰、人件費、燃料代、募集をかけてもなかなか人が集まらない。2日休んだことでスタッフのモチベーションが上がり、サービスの向上につながるので利用客に満足いただけるスキー場づくりを目指したい」と、週休2日制を導入した理由を説明する。

北陸信越山岳観光索道協会によると、「週休2日制は他に聞いたことがない」という。

開田高原マイアスキー場
開田高原マイアスキー場

歓迎と戸惑いの声

利用者は「平日の方が人が少なくてありがたいので、週休2日はつらいかもしれない」、「将来的になくなっちゃうのが一番困るので、バランスをとりながら継続してもらえれば」と話す。

従業員は「決まった休みがあるのは、うれしいって言えばうれしい」と歓迎の声もあれば、「季節商売なので、定休日があるのがスキー場にとっていいのか悪いのかわからない」など戸惑いの声もある。

持続可能な経営を目指して取り入れる「週休2日制」。運営会社は、今シーズンの状況を見て、来シーズン以降は判断したいとしている。

開田高原マイアスキー場
開田高原マイアスキー場

美容・健康とスキー場の融合

一方、木島平村のスキー場。12月23日のリニューアルオープンを前に安全祈願式を開いた。

スキー場の新たな名前は「スノーリゾート ロマンスの神様」。

「冬の女王」とも呼ばれる人気歌手・広瀬香美さんの代表曲にあやかっている。

安全祈願式 木島平村 8日
安全祈願式 木島平村 8日

スキー場はもともと村の第三セクターが運営していたが、コロナ禍などで経営不振が続き、民間に譲渡することに。

手を挙げたのが、全国で「湘南美容クリニック」を展開するSBCメディカルグループ。

なぜ「ロマンスの神様」にしたのだろうか。

SBCメディカルグループリゾート事業部の西下舞部長は、「スキー場と言ったら『ロマンスの神様』。グループの代表が広瀬香美さんの友人ということもあり、『スノーリゾート ロマンスの神様』として生まれ変わろうと。美容・医療とスキー場の融合をして地方再生につなげていこうう」と、考えたとしている。

「スノーリゾート ロマンスの神様」
「スノーリゾート ロマンスの神様」

ゲレンデ近くのホテルには、「湘南美容クリニック」も。

今後、ウインタースポーツと美容・健康を融合させた取り組みも進めていきたいとしている。

西下部長は、「ロマンスの神様に変わることによって20代の方から楽しんでいただけるような、地元の方々にもより愛されるようなスキー場に生まれ変わりたい」と意気込んでいる。

「スノーリゾート ロマンスの神様」のオープンは12月23日の予定。

運営の見直し、誘客強化、他との差別化。

知恵を絞ってスキー場が再出発している。

湘南美容クリニック木島平リゾート院
湘南美容クリニック木島平リゾート院

(長野放送)

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。