自民党の最大派閥・安倍派が、政治資金パーティーによる収入の一部を「裏金」化していたとみられる問題で、安倍派に所属する松野博一官房長官が、派閥から1000万円を超えるキックバックを受け、収支報告書に記載していなかった疑いがあることがわかった。
松野官房長官が1000万円のキックバック記載せず
安倍派では政治資金パーティーの収支をめぐり、議員がノルマを超えて集めた資金をキックバックし、5年間で総額1億円以上が政治資金収支報告書に記載されず、事実上の「裏金」になっていた疑いがあることがわかっている。

その後の関係者への取材で、安倍派に所属する松野官房長官が2022年までの5年間で、派閥から1000万円を超える資金のキックバックを受け、松野官房長官側の収支報告書にも収入として記載していなかった疑いがあることがわかった。
松野官房長官は、2019年9月から約2年間、安倍派の事務総長を務めていたが、ほかの事務総長経験者の中にもキックバックを受けていた議員がいるとみられている。

東京地検特捜部は来週の国会閉会後にも、事務総長経験者への聴取も視野に本格的な捜査に乗り出すものとみられる。
衆院予算委で野党が追及強める
この問題について、松野官房長官は「政府の立場として答えるのは差し控える」と述べ、自らの辞任は否定した。
国会記者会館からフジテレビ政治部・高橋洵記者が報告する。
岸田内閣の要に浮上した「裏金問題」をめぐって、記者会見や国会審議は紛糾し、官邸内からは「重苦しい雰囲気だ」と嘆く声が聞こえてくる。

松野官房長官は「刑事告発がなされ、それに関連して捜査が行われているものと承知しており、お尋ねにつきましては差し控えさせていただきます。いずれにせよ、引き続き緊張感を持って与えられた職責を果たしてまいりたいと考えております」と説明を避けたうえで続投する考えを示したが、衆議院予算委員会では野党側が追及を強めている。

立憲・枝野前代表:
あなた自身じゃなきゃ答えられないことです。お答えください。

安倍派元事務総長 松野官房長官:
派閥が現在、政治資金に関しまして刑事告発をされ、それに関連して捜査が行われていると承知しております。
私の政治団体についても精査し、適切に対応してまいりたいと考えております。

立憲・枝野前代表:
松野さんに「あなた大丈夫だろうね」って話してないんですか?

岸田首相:
さまざまな意思疎通を図っているが、その中身について、具体的に申し上げることは控えなければならない。私がお答えすることは、捜査に影響を与えるおそれがあります。お答えすることは控えます。
また岸田首相の派閥からの離脱について、枝野氏が「姑息(こそく)だ。岸田派を解散したらいいのでは」と迫ったのに対し、岸田首相は「派閥から在任中、外れるのがあるべき姿だ」、「決して逃げるということではなく、党として一丸となって取り組む」と強調した。
(「Live News days」12月8日放送より)