山形県内で4年ぶりに「警報」が発令されているインフルエンザについて、年末年始に向けてさらなる流行が懸念される中、私たちはどんな対策をとれば良いのだろうか。日々、患者と向き合う現場の医師に聞いた。
急増するインフルエンザ患者
山形市内の小児科医院には、12月7日も保護者に付き添われた子どもたちが次々と訪れていた。

橋本こどもクリニックの橋本院長は「例年より早いタイミングからインフルエンザ患者が出てきている」と話す。インフルエンザの患者数は“10月末は週に30人ほど”だったが、11月末には“週に90人以上”と急増したそうだ。

県がまとめた過去の患者数の推移を見てみると、2023年は過去10年で最も早く「警報開始基準」となる1定点あたり30人を超えるなど、流行が早いのが特徴。また年代別でみると、「10歳未満」が51%・「10代」が33%と、若年層が全体の8割以上を占めている。
橋本こどもクリニック・橋本基也院長:
部活動・学校行事など生活がまた元に戻っているので、どうしても感染にさらされやすいとは思う
小児用の薬の供給 全国的に足りず
若年層で感染急増という傾向はほかの県も同様で、この影響で今、特に小児用の薬の供給が全国的に足りていないという。

橋本こどもクリニック・橋本基也院長:
一時は解熱薬もない状況があった。今はせき止めが不足している。医療面で厳しさを感じている
薬の供給が限られる中、橋本院長たちはなんとか工夫して薬不足を乗り切ろうとしている。

橋本こどもクリニック・橋本基也院長:
1週間分の薬を出したいと思っても、そういう処方の仕方がなかなかできない。3~4日分という形で、日数はご理解いただいている
場面によってマスクを着けることが重要
これから迎える年末年始に向けて、橋本院長は「マスク」「うがい・手洗い」など、これまで通りの対策の徹底が重要だと指摘する。

橋本こどもクリニック・橋本基也院長:
普段、生活の中で必ずマスクをしなければいけないということではない。ただ“場面によって”マスクを着けることが重要な時もある
コロナの5類移行後、着用の機会が減ったマスクだが、橋本院長によると電車や人混みの中・身近な人が風邪をひいた時などのマスク着用は、感染予防に十分効果的だという。
(さくらんぼテレビ)