2年連続プレーオフを戦ったサッカーJ2・モンテディオ山形が12月5日、吉村知事にシーズン終了を報告した。6日には渡邉晋監督が会見を開き、今シーズンを「悔しさと選手たちの成長を感じた1年だった」と振り返った。
悔しさ残るも…気持ちは来シーズンへ
5日に吉村知事を訪問したのは、モンテディオ山形の相田健太郎社長と渡邉晋監督、山田拓巳選手、南秀仁選手だ。モンテディオ山形は今シーズンのリーグ戦で5位に入り、2年連続でJ1昇格をかけたプレーオフに進出したが清水に引き分け、規定によりJ1昇格を逃した。

モンテディオ山形・山田拓巳選手:
粘り強く戦えたので、最後まで昇格の可能性を残して戦えるところまでいけた

吉村美栄子知事:
「惜しかったな」というのが県民の感想。本当によく頑張って粘り強く戦ってくれた姿に、みな感動して元気をもらったと思う。ありがとうございました

知事からねぎらいの言葉を受けた選手たちは、今シーズンの悔しさとつかんだ手ごたえを胸に、気持ちは早くも来シーズンへと向かっていた。

モンテディオ山形・南秀仁選手:
悔しい気持ちは蘇るが、それをポジティブに捉えて、また来年頑張れる要素が見つかった1年

モンテディオ山形・山田拓巳選手:
チームとしても個人としても悔しいシーズン。来年こそ個人的にも、もっと濃いシーズンにしたい

モンテディオ山形・渡邉晋監督:
J2優勝を本気で目指さなくてはいけない。そこに本気度がどれだけあるか私自身も自問自答する。県民も同じように本気度を持って一体感を持つと、ものすごいパワーになる
「選手たちはたくましくなった」
6日の会見は、今シーズンを総括する場を報道陣に提供したいとの渡邉監督の考えから開かれた。序盤に5連敗した後、4月にクラモフスキー前監督の後を引き継いだ渡邉監督は、今シーズンを次のように振り返った。

モンテディオ山形・渡邉晋監督:
クラブとしてJ2優勝・J1昇格を目標に掲げたシーズンだったが、達成できなかったことに関しては、ふがいないシーズンだった。残念で悔しい1年になったが、選手たちはとてもたくましくなった。間違いなく成長した

攻撃的なスタイルは変えず、少しずつ修正を加えてチームの立て直しを図った渡邉監督は、印象的だった試合の1つに、5月の第14節、2点ビハインドから逆転したホームでの藤枝戦を挙げた。

モンテディオ山形・渡邉晋監督:
明らかに選手が委縮している自信がなさそうなプレーが見えたので、ハーフタイムに「お前たちはそんなはずはない」と心の奥底から言葉が出た。結果的にひっくり返して勝てて、「報われるべきものは報われる」と証明できた試合。あれがなければ、選手たちがもっと自信をなくしていた
妻の後押しで監督就任へ
一時はJ3降格圏の21位だったチームを見事に浮上させ、J1昇格プレーオフに導いた渡邉監督だが、実はコーチから監督への就任を「受けるつもりはなかった」と言う。
モンテディオ山形・渡邉晋監督:
コーチとして山形に招いてもらって、(前監督の)ピーターさんを支える立場だった。そういう人間がどういう状況であれ、監督をやるべきではないと思っていた
その考えを変え、監督に就任したのは妻の後押しだと明かした。

モンテディオ山形・渡邉晋監督:
妻から言われたのは「あなた男でしょ?」「ここで投げ出すの?」「選手たち困っているんじゃないの?」と、それは響いた。女性は強いと思った

プレーオフ準決勝では、タレント軍団の清水を相手に臆することなく持ち味を発揮した。渡邉監督は、選手たちを「本当にたくましくなった。誇りに思う」とたたえた上で、あの清水戦に満足せず、さらに上積みを図り「本気でJ1昇格目指す」と引き続き指揮を執る来シーズンへの抱負を語った。

モンテディオ山形・渡邉晋監督:
今年最後、あれだけのゲームができたから大丈夫という人間が1人でもいたら足元をすくわれる。来年はJ2優勝を目指す、その本気度が問われる。強烈な本気度を自分自身が持つ。ぜひ期待してほしい
(さくらんぼテレビ)