旧Twitter「X」のオーナー、イーロン・マスク氏が戦闘休止のイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相らと共に集落を視察した。“反ユダヤ主義”とされる投稿に賛同するコメントをしたとして批判が噴出していたマスク氏の訪問の意図とは。

襲撃を受け廃墟と化した住宅の前でスマートフォンのカメラを構えているのは、旧Twitter「X」のオーナーで起業家のイーロン・マスク氏(52)。

説明者:
「その時、テロリストたちがキブツに侵入したんです」
戦闘休止期間中に踏み切った“異例のイスラエル訪問”。
マスク氏はネタニヤフ首相らとともに、10月7日イスラム組織ハマスの襲撃を受けたイスラエル南部の集落を視察した。

説明者:
「昨夜、(人質のうち)何人かは解放されました。多くの市民があそこに見える自宅から誘拐されたんです」
スーツ姿で防弾チョッキを着けて説明を受けるマスク氏。

説明者:
「子どもたちはこのベッドにいたんです」

案内されたベビーベッドの中に転がっていたのは、発射された銃弾の薬莢。マスク氏は襲撃された住宅の中に入り、天井に残された無数の銃撃痕をじっと見つめていた。
異例のイスラエル訪問についてマスク氏は、Xにこう投稿した。

マスク氏のXの投稿:「行動は言葉よりも雄弁です」「ありきたりに聞こえるかもしれませんが、私は世界平和を望んでいます」
さらにマスク氏は、ハマスに親族が拘束されているイスラエル人家族らと面会。

親族が拘束されている人:
「家族はガザで人質になっているのです」

“私たちの心はガザの人質とともにある”と書かれたペンダントを贈られ、その場で身につける場面も。
その後、Xに投稿されたのが、このメッセージ。

マスク氏のXの投稿:「あなたの愛する人が解放されるその日まで、私は毎日、(ペンダントを)身につけます」

その一挙手一投足が世界の注目をあつめるマスク氏が、なぜ、イスラエルを訪問したのか。

イーロン・マスク氏:
「市民が殺害された現場をみて、大変心苦しくなる一日でした」

マスク氏をめぐっては、11月、Xで“反ユダヤ主義”とされる投稿に賛同するコメントをしたとして批判が噴出。アップルやIBMといった巨大企業がXへの広告掲載を見合わせるなど、波紋が広がった。
この直後に明らかになったマスク氏のイスラエル訪問。
イスラエルはユダヤ教が多数を占めることから、ヘルツォグ大統領との面会では、こう告げられた。

ヘルツォグ大統領:
「世間は反ユダヤ主義で溢れている」「あなたが所有するプラットフォーム(X)は、残念なことに昔ながらの憎しみが集まっている」

Xについてヘルツォグ大統領は、「多くの反ユダヤ主義を抱えている」と指摘し、Xを率いるマスク氏に対して「あなたには大きな役割がある」と強調した。
イスラエルとハマスは戦闘休止期間を少なくとも29日までの2日延長することで合意。
27日には“第4弾”としてイスラエル人の人質11人が、新たに解放されている。
(「イット!」11月28日放送より)