大手コンビニ3社が初の共同キャンペーンで「三陸・常磐もの」を使用したオリジナル商品を販売する。経済産業省の呼びかけで実現したもので、三陸常盤エリアの水産物の魅力を広め、福島第一原発の処理水放出による風評被害などを防ぎ、消費拡大を図ることが狙いだ。

コンビニ3社「三陸・常磐もの」共同販売

「三陸・常盤もの」を盛り上げるために、大手コンビニ3社がタッグを組む。

この記事の画像(11枚)

セブンイレブン・ファミリーマート・ローソンの大手コンビニ3社は28日、「三陸・常磐もの」を使用した、それぞれのオリジナル商品を期間限定で販売すると発表した。

西村経産相:
これもうまい。何とも言えないマッチンクがいい。

この取り組みは経済産業省の呼びかけで実現したもので、三陸常盤エリアの水産物、いわゆる「三陸・常盤もの」の魅力を発信することで、福島第一原発の処理水放出による風評被害などを防ぎ、消費拡大を図ることが狙いだ。

三陸産のわかめや銀鮭などをふんだんに使ったオリジナル商品は、12月から東北地方を中心に、一部店舗の店頭に並ぶ。

日本の食を「守り・育てる」コンビニへ

「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
三陸常磐の海の幸を消費者に届けようという試み、いかがですか。

消費経済アナリスト​・渡辺広明さん:
今回、経産省が音頭をとる形ではあるが、大手コンビニ3社が共同のキャンペーンをやることは画期的で、日本のコンビニ史上初めてのこと。

中国の日本産水産物輸入停止を受けて、三陸常磐の豊潤な海の幸の輸出のマイナス分を、国内需要を盛り上げて取り戻そう、水産関係者を応援しようという試みとなる。

国民的小売業のコンビニでの展開は、三陸常磐の水産業を救う単発的なキャンペーン効果だけでなく、水産物と日本の食を守り・育てるコンビニという、2つの中長期的ブランディングにつながりそうだ。

堤 礼実 キャスター:
最近、コンビニで「地域の美味しいもの」を見る機会も増えましたが、今回も楽しみなメニューがありそうですね。

消費経済アナリスト​・渡辺広明さん:
例えば、セブン-イレブンの「常磐沖水揚げしらすの和風パスタ」などは、ほかで食べられない差別化されたコンビニらしいメニュー。3社をはしごして食べてみたいメニューが目白押しになっている。

今回のキャンペーンは、東北エリアとその近辺を展開エリアとしているが、ファミマの加工食品の“わかめスープ”や、ローソンの“三陸産鮭のっけ盛り弁当”は基本、全国発売となっている。

コンビニが地域の特産を全国の消費者に提供するのは、国内で消費する食料はできるだけ国内で生産する、いわゆる「国消国産」の後押しとなっている。

この「国消国産」に取り組むことによって、地域の美味しい特産食材を全国規模で流通させることが可能となる。

“国消国産”コンビニから展開を

堤 礼実 キャスター:
コンビニ各社が積極的に国産の食材を使うことで、地域に元気を与えることにもつながりそうですね。

消費経済アナリスト​・渡辺広明さん:
農水産業の振興によって、食の生産従事者の所得向上が図れるだけではなく、何より37%と過去最低となっている食料自給率を上げることにもつながる。

持ち帰りの中食で一歩リードするコンビニがエリアの特産食材の展開を継続することにより、コンビニスイーツのように革新的な新メニューが生まれる可能性も高く、今後も他エリアの展開も含めて、「国消国産」の展開を加速させて欲しい。

堤 礼実 キャスター:
コンビニという身近な場所で、美味しいものを手にとると、地域を応援することになる。私たち消費者にとっても嬉しいですよね。こういった試みを通して、消費が盛り上がるといいなと思います。
(「Live News α」11月28日放送分より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)