岐阜県岐阜市で25日から「自動運転バス」の定期運行が始まっている。中心部で長期間にわたって運行されるのは全国で初めてということで、運転手不足の打開策に繋がるのか。
ハンドルもない!自動運転バス
11月25日、岐阜市でお披露目された真っ赤なバス。定員10人の小型電気自動車で、先進の技術を備えている。

車内には運転席やハンドル、アクセルやブレーキのペダルも付いていない。

AI搭載のカメラやレーザーセンサーなどで交通状況を把握しながら、発進や停止を自動で行うシステムだ。
運行協力会社の担当者:
レーザーの光を当てて、周りに人が歩いているなとか、木や建物があるなとリアルタイムで認識しています。瞬時に減速したり加速することができます
ルート上に駐停車している車があった場合は、センサーが障害物と感知する。運転が手動に切り替わり、乗務員が専用のコントローラーを操作して、方向転換や再発進を行うという仕組みだ。

ゆっくり安全に…課題も
バスは当面、乗務員が同乗する「レベル2」で運行するが、5年の間に特定の条件下で完全自動運転となる「レベル4」での運行を目指す。
岐阜市によると、街の中心部で長期間、自動運転バスが運行されるのは全国で初めてということだ。
柴橋正直岐阜市長:
毎日継続運行して、安全第一で様々な技術検証を行っていきたいと思います
ルートは、柳ヶ瀬商店街や市役所を通る中心部ルート(5km)と、岐阜公園や川原町などの観光スポットを巡る岐阜公園ルート(9km、土日祝日のみ)の2路線だ。

乗車した市民A:
スムーズに運転されていたかなという感じですね
乗車した市民B:
景色も見ながら楽しめたかなと思いました。もっと範囲が広がれば、いろんな所に行けたらなと思います
バスの最高時速は19kmで、道幅の狭い川原町などでは、さらにスピードを落とすよう設定されている。

公道をゆっくりと走ることから、課題は一般の車との共存だ。
岐阜市 交通政策課 川田真樹課長:
路上駐車、無理な追い越し、そういうのを避けていただいて、この自動運転車を温かく見守っていくことが、レべル4の実現に近づくと考えています

全国で公共交通機関の運転手不足が深刻化する中、このバスが打開策を示すことができるのか、成果が期待される。
(東海テレビ)