河川敷で許可なく野菜などを栽培したり小屋を建てたりする、いわゆる「ヤミ畑」の問題。1カ月半ぶりに現地を訪れると、小屋はすべて撤去されていた。一方、耕作は続けられている。河川事務所は物理的に入れなくする措置も検討しているとしている。
無許可で耕作や小屋…
ナスやトウモロコシなどを栽培する畑に、農機具を置く小屋も。
2023年9月に取材した長野市篠ノ井塩崎の千曲川河川敷内に広がるいわゆる「ヤミ畑」。
河川敷には、私有地も混在しているが、この場所は「国有地」で、無許可で耕作や小屋を建てるなどの行為は河川法違反にあたる。

しかし、一帯では2010年ころから「ヤミ畑」を確認。
河川事務所によると、指導した際に中国語を話していたことから、日本語に加え中国語の看板も立て、やめるよう促したが、無視されてきた。

耕作をする人に話を聞くとー。
記者:
「これネギはお父さんが作ったんですか?これ全部、お父さんが作ったんですか?」
男性:
「…(無言で去る)」
記者:
「どこからどこまでお父さんが育てているんですか?」
男性:
「…」

別の男性もー。
記者:
「注意の看板置いてあるじゃないですか、ここの畑使わないでくださいと見たりしましたか」
男性:
「(うなずく)」
記者:
「やめようとはしないんですか」
男性:
「…(うなずく)」
記者:
「なんでやめようと思わないんですかね?」
男性:
「…」

あれから1カ月半…小屋はすべて撤去
前回の取材からおよそ1カ月半。再び「ヤミ畑」を訪ねてみるとー。
以前は、農機具などを置く小屋が建てられていたが、すっかり撤去されていた。
軽トラックや農業資材が放置された場所もあったが、他に7棟あった小屋もすべて撤去されていた。

河川事務所と警察が合同で指導
何があったのだろうかー。
河川事務所によると、10月27日に警察と合同で不法行為への指導を実施した。
千曲川河川事務所占用調整課の山田浩史課長は、「今までの粘り強い指導もあるが、強い指導と受け止めてもらったのか、工作物の撤去が進んでおり、効果があったと思う」と話す。
また、11月中に小屋などを自主撤去するよう求める新たな看板も設置していた。
その結果、一帯にあった小屋はすべて撤去されたという。

耕作は続く…
一方で、畑には大根やネギ、チンゲン菜がー。
耕作は続けられているようだ。
山田課長は、「不法占用をしている方々に違法性を理解してもらうのは難しいかなと。今後、不法耕作が続くようであれば、物理的に入れなくする措置などを考え、対応していきたい」と話す。

(長野放送)