女優の森川葵さん(28)が今月17~19日に韓国で行われたアジア大会に日本代表として出場し団体で金、ペアで銀、個人で銅と各種目でメダルを獲得し、一躍注目されている「スポーツスタッキング」。一体どんな競技なのか?

日本記録は2.355秒

スポーツスタッキングとは、プラスチック製のカップを、決められた形に積み上げたり崩したりするスポーツ。テレビなどで目にしたことがある人も多いだろうが、しっかりとしたルールが確立したスポーツとして裾野が広がっている。

スポーツスタッキングの普及活動を行う一般社団法人WSSA-JAPANによると、使用されるカップは直径76.5mm、高さ95mm のプラスチック制。積み重ねた際に空気が抜けるように穴を空けられていたり、つかみやすい加工を施されていたりなど、競技に適した形になっている。

競技種目は色々ある。「3-3-3 スタック」では3つのカップを3カ所に重ねたところからスタートし、それぞれを2段に積み重ね、再び重ねた状態に戻すスピードを競う。

「3-6-3 スタック」はさらに難しく、合計12個のカップを使用する。スタート位置は、6つのカップを重ねたものの左右に3つのカップを重ねた状態で、左右は2段積み、中央は3段積みのピラミッド状にして、最初の状態に戻すスピードを競う。

この複雑な「3-6-3 スタック」をトップ選手は凄まじいスピードで行う。久場 雄真人選手の日本記録は、2.355秒。まさにあっという間だ。

2人で行う「ダブルス」や団体戦である「リレー」もある。

スポーツスタッキングは世界54カ国で楽しまれていて、日本の競技人口は約1万人。老若男女を問わず気軽に挑戦できることから、小学校の学童保育や地域のレクリエーションをはじめ、老化防止や心身のリハビリのために高齢者施設で導入されるケースも増えているという。

日本人親子ペアが銅メダル

気軽に楽しめる「スポーツスタッキング」。一方で、森川さんのようにアジア、そして世界の最高峰に挑戦するとなると、本格的なアスリートとしての素質が問われ、連日ハードな練習を重ねる必要があるという。

今回のアジア大会。「親子ペア(10歳以下)」部門で銅メダルを獲得したのは日本人の親子で、澤田彩杏ちゃん(9)と母親の怜美さん(40)だ。

「親子ペア(10歳以下)」部門で銅メダルを獲得した澤田彩杏ちゃん(9)と母親の怜美さん(40)
「親子ペア(10歳以下)」部門で銅メダルを獲得した澤田彩杏ちゃん(9)と母親の怜美さん(40)
この記事の画像(2枚)

澤田彩杏ちゃん(8)がスポーツスタッキングを始めたのは3歳の時。先に始めた4歳年上の兄・龍人さん(13)が「たくさんメダルをもらっていた」のがきっかけだったという。

兄の龍人さんも、今大会の個人種目(13~14歳の部)で銀メダルと銅メダルを獲得している。

怜美さんは、子どもたちに競技を通じて「世界に友達をつくってほしい」と話す。

ママと一緒に手にした銅メダル。それでも彩杏ちゃんは、「金メダルを狙っていたので悔しい。やりきったけど、やっぱり世界の壁は高いのでもっと練習しないと」と家族に語り、その視線は早くも来年3月にアメリカ・フロリダ州で行われる世界大会に向けられている。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。