リーマンショック後以来の2期連続引き下げ

7月9日に発表された日銀の「さくらレポート」(地域経済報告)では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、全国9地域の全てでこれまでの「弱い動き」や「下押し圧力の強い状態」といった景気判断から、「悪化している」や「厳しい状態にある」などといった判断に下方修正した。

全地域で景気判断を引き下げるのは、前回4月に続き2期連続。
これはリーマンショック後の2009年1月以来のことで、地方経済の厳しい状況が伺える結果となった。
項目別では、「個人消費」と「雇用・所得」で全地域が下方修正。
特に「個人消費」の全地域引き下げは2期連続で、さくらレポートが現在の形式になった2005年4月以降で初めてのこととなった。

地域・業界でさまざまな声も…

一方、日銀のヒアリングによる企業の主な声では、「持ち直している」「回復している」といった前向きな声もみられた。
いくつか声を挙げてみる。

・輸出関連
「新型コロナウイルス感染症による世界的な自動車販売の急減速を受けて、輸出は一段と減少している」(北九州・輸送用機械)

「新型コロナウイルス感染症の影響で商談が滞り、欧米からの受注は落ち込んでいる一方、経済活動の再開が早かった中国からの受注は持ち直している」(名古屋・生産用機械)。

・個人消費・インバウンド関連
「緊急事態宣言の発令期間中の売上は、店舗休業により前年比9割減となった月もあったが、足もとでは同3割減まで回復している。営業再開直後は、それまで買い物を我慢していた反動のような動きが衣料品部門等でみられた」(福岡・百貨店)

「都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和されたことで、県外客も徐々に戻ってきているが、持ち直しの動きはきわめて弱い。政府が実施する『Go To キャンペーン』による需要喚起に期待したい」(金沢・宿泊)

・設備投資関連
「主力製品である自動車部品の売れ行きが大幅に悪化しているため、2020年度上期中は新型車関連以外のすべての設備投資を凍結する」(前橋・輸送用機械)

「コロナ禍のもとでの『新しい生活様式』を実践する動きとして、対面での商談を避ける取引先が少しずつ増えてきている。このため、オンライン対応に必要なソフトウェア関連投資を急ピッチで進めている」(新潟・卸売)

豪雨災害の影響は「旅行マインド」にも

では、九州などに甚大な被害をもたらした今回の豪雨災害は、地方経済にどのような影響を与えたのだろうか?

日銀 宮下俊郎福岡支店長:

現時点では、被害の全容把握が困難ではありますが、当地の工場や商業・観光施設で被害が発生しているほか、休業を余儀なくされている先も見られており、新型コロナからの回復の動きへの影響については注視していきたいと思います。
消費に関しても、観光関連で、川沿いの温泉地に大きな被害が発生してますので、被害プラス、そもそもそういったところへの旅行マインドの低下といったものにもつながる可能性がありますから、こういったところを含めて今後の先行きに注視をしていきたいと考えてます。

日銀 宮下俊郎福岡支店長

経済活動の持ち直しの動きも見られる中で起きた、今回の豪雨災害。
被害そのものに加えて、再び消費マインドの低下につながる可能性もあり、今後の景気回復のスピードに影響を与えることになりそうだ。

(フジテレビ報道局経済部 土門健太郎記者)