今週末から12月24日(日)の有馬記念まで、7週連続GI開催となる。その第1弾が11月15日(日)、京都競馬場の芝2,200mで争われる第48回エリザベス女王杯(GI)だ。
3歳馬と古馬が激突する“現役最強牝馬”を決める1戦で、今年はジェラルディーナが史上5頭目の連覇を目指すが、ライバル馬も虎視眈々、目が離せない競走となっている。京都競馬場での開催は4年ぶりとなる。
“再覚醒” ジェラルディーナ連覇へ
去年のエリザベス女王杯を制し、“秋の女王”となったのがジェラルディーナ(牝5・4枠7番)。
母はジェンティルドンナ(GI・7勝)、父はモーリス(GI・6勝)、母父合わせてGI・13勝を誇る2頭の良血馬から生まれたジェラルディーナは、4歳でその遺伝子を覚醒させた。

去年9月のオールカマー(GⅡ)で重賞初制覇を飾ると、続くエリザベス女王杯も勝利し、母父を追うようにGIウィナーの仲間入りを果たした。
しかし、去年のエリザベス女王杯以降は有馬記念(3着)、宝塚記念(4着)などと勝利から遠ざかっているジェラルディーナ。

今週から短期免許で騎乗する名手ライアン・ムーア(40)を背に、1年ぶりとなる復活を果たし、ラッキーライラック(2019・2020年)以来、史上5頭目となるエリザベス女王杯連覇を飾ることができるか、注目される。
“リバティ世代” にチャンス到来
今年、圧倒的な強さで「牝馬3冠」を達成したのが“怪物”リバティアイランド。
輝かしい一頭が誕生した一方で、同世代の多くの馬は陰に隠れてしまった。

そんなリバティアイランドと同い年の3歳世代で最も悔しい思いをしているのが、ハーパー(牝3・2枠3番)だ。
牝馬3冠レースのすべてに出走し、第1戦の桜花賞は4着、第2戦のオークスは2着、そして第3戦の秋華賞では3着と、いずれもあと一歩及ばなかった。

堅実な競馬をするハーパーは、最大のライバル・リバティアイランド不在の今回なら、初タイトル獲得のチャンスは高い。
そして、今回はその“リバティ”の主戦でもあり、ハーパーにデイリー杯クイーンC(GⅢ)で重賞初勝利をもたらした川田将雅騎手(38)が手綱を握る。
ルメール騎手 秋GIで3連勝なるか
同じく“リバティ世代”のブレイディヴェーグ(牝3・1枠1番)。このブレイディヴェーグはリバティアイランドとの直接対決は経験しておらず、1着2回、2着2回と成績を残している。

デビュー4戦目で挑んだ初めての重賞ローズS(GⅡ)では、上がり最速の脚で追い上げ、2着に食い込んだ。この時の勝ち馬(マスクトディーヴァ)は秋華賞でリバティアイランドの2着になっており、ブレイディヴェーグの持つポテンシャルの高さは未だ計り知れない。
鞍上は菊花賞、天皇賞(秋)と秋のGIを連勝中のクリストフ・ルメール騎手(44)とあなどれない。

また、今回が5戦目となるブレイディヴェーグが勝利し、GIタイトル奪取となれば、“世界最強馬”のイクイノックスと並んで史上2頭目となる、最少キャリア(5戦目)での古馬GI制覇となる。
母は同世代のライバル 娘の初対決
そして、今年のエリザベス女王杯で競馬ファンの胸をアツくさせるのが、ジェラルディーナとディヴィーナ(牝5・4枠6番)の初対決だ。

ジェラルディーナの母・ジェンティルドンナとディヴィーナの母・ヴィルシーナは共に2009年生まれの同世代。母同士の直接対決は実に7回行われ、「牝馬3冠」を達成したジェンティルドンナが6勝を挙げている。

ヴィルシーナは同じく「牝馬3冠」レースに出走するも、すべてジェンティルドンナの2着に惜敗。また、ヴィルシーナはエリザベス女王杯に3度挑戦するも優勝を果たせていない。
これらの歴史的な背景もあり、母ヴィルシーナとその娘のディヴィーナを管理する友道康夫調教師(60)はこの一戦への特別な想いを語った。

――ディヴィーナの母が取れなかったエリザベス女王杯
お母さん(ヴィルシーナ)では、悔しい思いをしたので、何とか娘(ディヴィーナ)で、取り返したいですね。

――ジェンティルドンナの娘も出走
ファンも盛り上がっていると思うけど、僕はやっぱり心に来るものはありますよね。燃えるものはあります。斉藤君(斉藤崇史調教師)はどう思っているかわかんないですけど(笑)。
対して、ジェラルディーナを管理する斉藤崇史調教師(41)は、世代を越えた娘同士の対決にこのように語った。

――ディヴィーナとの娘同士の初対決
周りの人から見たら、そういうのも面白いのかなと思うんですけど、ジェンティルドンナは違う厩舎に所属していた馬で、直接関わっていないので、何とも言えないところですけれど、そういうところも含めて、皆さんに楽しんでもらえたらなと思います。

史上5頭目の連覇か?
3歳世代が輝きを放つか?
はたまた母の雪辱を晴らすか?
”現役最強牝馬“決定戦、エリザベス女王杯は11月12日(日)15時40分に発走する。
みんなのKEIBA エリザベス女王杯・GI
11月12日(日)15時から生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html