愛知県岡崎市のブドウ園で、ブドウがなくなる被害が相次いでいる。カメラに捉えられていたのは、器用にブドウを持って逃げるサルの姿だった。

口にブドウをくわえて…カメラに決定的瞬間

岡崎市の山間にある駒立地区に7軒あるブドウ園の一つ「ヤマサ園」では2023年9月22日、たくさんの人がブドウ狩りを楽しんでいた。

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そんな中、周りに比べ不自然にブドウがない場所があった。地面には実だけがきれいに取られた房もある。

ヤマサ園の岡田一也さん:
そこの木が丸々一本やられちゃいました。もうどうしようもないですね

設置されたカメラには、決定的瞬間が残されていた。

映っていたのはブドウ園から立ち去ろうとする1匹のサルだった。口には、袋に入ったブドウをしっかりくわえている。

別の日には、おなかに子ザル、そして口でブドウを持ち去る親ザルの姿も映っていた。

農園の中で白昼堂々、採れたてのブドウを食べる姿も捉えられていた。

岡田一也さん:
ここの畑だけでいうと300〜400房ぐらい。他の畑でも(被害が)出ているので、1000房くらいやられちゃっている

被害の中心は、販売用の比較的高価なブドウだ。今シーズンのサルによる被害額は最大で100万円と、例年の3〜4倍にあたるという。

岡田一也さん:
計算すると嫌になっちゃうので、数えないようにしているんですけど、軽トラ1台買える

被害を受けてこの農園では、フェンスと電気柵を張る対策をした。

青い柵には身体に影響のない程度の電流が流れているというが、映像には器用に潜り抜けていくサルも映っていた。

この農園では、岡崎市と一体となった対策もしている。サルがよく来る場所がわかるヒートマップだ。

岡崎市では2018年から捕獲したサルにGPSを取り付け、群れの動きを追っている。

今回はカメラに映っていた時間と場所が一致したため、ヤマサ園を襲ったサルの群れを特定した。

岡田一也さん:
駒立のブドウ狩りの人がみんな見ているLINEグループがあるので

この日も、岡田さんは同じ駒立地区のブドウ園の仲間に情報を共有していた。

岡崎市ではいま、サルの生態に変化があり、調査が必要だと話している。

岡崎市中山間政策課の山口遥介主査:
最近は山の中にいたサルが、どんどん市街地に近い所まで出てくるようになってきていて、農作物被害だけじゃなくて生活被害も聞こえるようになってきた。そういった意味でもサルの対策は求められているのかなと思います

(東海テレビ)

東海テレビ
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