日本人の約4割が発症しているとも言われる花粉症。秋にはヨモギ、ブタクサ、カモガヤといった植物が原因で花粉症になる人もいるとのこと。予防法や春の花粉症との関係など、気になるポイントをJCHO大阪病院 耳鼻咽喉科の前田陽平医師に聞いた。

「秋花粉症」について専門家に聞いた

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関西テレビ「newsランナー」の視聴者にLINEで秋の花粉症についてアンケートを行ったところ、秋の花粉症の症状が出るという方が52%、出ない方が48%となった。これまで秋の花粉症の症状が出ていない方が、今後、症状が出るようになる可能性はあるのだろうか?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
どんな方でも発症しうるものだと考えていただいていいかと思います

花粉症の人の割合 約20年間で2倍以上に増加

今や国民病とも言われ、誰でも発症してしまうおそれがある花粉症。環境省の資料によると、花粉症の人の割合は、図の青いグラフで示された花粉症全体について、約20年間で2倍以上に増加していることが分かる。また赤いグラフで示されたブタクサなどいわゆる秋の花粉症の割合も、同じく2倍以上に増えているということだ。

花粉飛散のピーク(関西)について、秋からイネ科、ブタクサ、ヨモギのピークとなるが、実際のところ花粉症の患者さんは最近増えているのだろうか?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
いわゆる秋花粉の方が結構受診しています。例年と比較すると少し遅いようです。ブタクサは9月がピークなんですが、今年は暑かったせいか、10月に入ってからも見られるような感じがあります。データ的なものはあまりないのですが、体感として今、秋の花粉症の方が多い印象があります

秋の花粉症でどんな症状が出ているのかアンケートを取った。

・京都40代 目やに、朝だけ目がかすむ
・滋賀40代 目や耳のかゆみ、鼻水、声がかすれる
・兵庫40代 春は鼻水・鼻づまりだけど、秋はせきが出る

秋の花粉症は“せきが出る”という特徴があるのだろうか?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
秋の花粉の代表的なものがブタクサです。ブタクサの花粉は、スギ花粉と比べてやや小さいので、鼻から入って喉のところまで届いてしまい、喉のイガイガ感やせきのような症状が出る方も多いというのが一つの特徴になっています

ブタクサの花粉は小さい

花粉の大きさの違いによる症状の違いについて図にした。スギ花粉は大きいので鼻毛にキャッチされやすく、途中で止まってくれるということだ。

一方、ブタクサは花粉が小さく、鼻から入って鼻毛がキャッチしにくくなる。そうすると奥まで入って、気管にまで到達してしまうという。なので秋の花粉症の症状には、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水・鼻づまりだけでなく、“せき”もあるのだ。

せきの症状がひどくなる場合もあるのだろうか?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
せき自体がひどくなってしまうこともありますし、あるいは気管支ぜんそくをもともと持っている方は、症状が出るきっかけになったりする場合もあります

発症する年代に特徴はあるのだろうか?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
他の花粉症と似ていて、基本的に花粉症は子供から中年ぐらいまでの方に多い特徴があります。高齢の方にそんなに多いわけではありません。いわゆる勉強で忙しい方、仕事で働き盛りの方とかに多いという特徴があります

予防はまず「草むらに近づかない」

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
(秋の花粉症だと気付かずにいることもあり)ブタクサなどの花粉症の場合、花粉がある所に行くと症状が強くなることがありますので、例えば川べりに行った時に症状が強いとか、山に行った時に症状が強いといった自覚のある方は、もしかしたら秋の花粉症かもしれません。次にそういった所に行く前に、例えば薬を飲んでおくなどの対策をすることも可能です

秋の花粉症の予防法と対策をまとめると。

▼草むらに近づかない
▼春の花粉症対策と同じく、うがい・手洗い、ゴーグルやマスク

こういった対策も有効だという。

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
スギの花粉みたい木の上になる花粉ではありませんので、雑草系の花粉はそんなに遠くには飛ばない特徴があります。近づかなければ症状が出ないという特徴がありますから、症状が出やすい方は、近づかないことで避けることができるというのもスギ花粉などとの違いになります

ブタクサは花粉が小さいということだが、一般的なマスクで防げるのか?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
いわゆる不織布マスクであれば、十分にブタクサの花粉を防ぐことができ、効果があると考えていただいて大丈夫です。布マスクでもしないのと比べると効果があるということは分かっていますが、やはり不織布マスクなどと比べると効果はちょっと落ちると思います

視聴者から質問

関西テレビ「newsランナー」視聴者からの質問だ。

ーー秋の花粉の飛散量は予測できるのか?

これについて片平気象予報士に聞いたところ、「スギ・ヒノキは枯れないので前年夏の天候である程度予測はできるんだけれど、ブタクサなどは冬に枯れてしまうから、翌年どれだけ生えるかどうか分からないため予測ができない」とのことだ。

ーー季節柄かぜとの見分けがつきにくい。花粉症とかぜの見分け方は?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
花粉症とかぜは症状が重なり、春にもすごく問題になるんですけれど、花粉症の場合はまず熱が出るということはほとんどありません。熱が出たらやはりかぜを考える方がいいかなと思います。それ以外には例えば鼻水とかでも、花粉症であればサラサラの物が典型的です。風邪だとちょっとネバネバした物や青バナが出るということになって、これはかぜっぽいかなということになります

ーー今は花粉症にかかっていませんが、花粉症になるきっかけは何ですか?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
花粉症になる一番の理由は、花粉にたくさん暴露されるといったことになります。ある程度以上の量、暴露されると突然発症してしまうパターンは割と典型的です。スギの場合で、海外に住んでいた方はスギ花粉症を持っていないのですが、日本に住み始めて何年かたつと発症してしまうといった事はよく聞くことです

ーー秋花粉症の治療薬はありますか?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
基本的に、秋の花粉症と春の花粉症で、治療薬あるいは治療法というは同じと考えていただいて大丈夫です。ただ舌下免疫療法とかは、秋の花粉に関してはありません

ーー花粉が目に入ってしまった場合、どうすればかゆみが軽減される?

JCHO大阪病院 前田陽平医師:
明らかにかゆいところは洗っていただくことでもいいです。あるいはアレルギー対策目薬ももちろん効果がありますし、普通にアレルギーの飲み薬は鼻だけではなくて目にもある程度効果があります。やはり症状が出る前にお薬を使っていると効果が高いので、ぜひ予防的に使っていただければと思います。かなり効果が高い薬も生まれていますので、薬剤師さんに相談してみてください

前田医師は最後に「お困りの方はぜひ耳鼻科に行ってください」と話した。

(関西テレビ「newsランナー」 2023年10月11日放送)

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