熊本県の蒲島知事は、水俣病未認定患者の救済策を巡る集団訴訟で、救済の対象外とされた原告全員の被害を認めた大阪地裁判決を不服として、10月10日付で控訴したことを明らかにした。

大阪地裁判決を巡っては、国も同日付で控訴していて、原因企業のチッソを含む被告側全てが控訴したことになり、闘いの舞台は大阪高裁に移る。

原告全員を水俣病と認めた大阪地裁判決

水俣病未認定患者の救済策で、救済から漏れるなどした1,700人余りが熊本、大阪、東京など全国の4つの地裁で起こした集団訴訟。

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このうち大阪地裁は9月27日の判決で、救済策の地域や年代による線引きを否定し、原告128人全員を水俣病と認め、国や熊本県、原因企業の「チッソ」に賠償を命じた。

この裁判を巡っては、10月4日に「チッソ」がこの判決を不服とし、すでに控訴している。

蒲島知事「最高裁判決と大きな相違」

そして、11日の控訴期限を前に、熊本県の蒲島知事も10日に会見を開き、10日付で控訴したことを明らかにした。

蒲島知事:
最大の争点である水俣病の罹患(りかん)について、今回の判決で示された考え方は、過去の最高裁で確定した判決等と大きな相違があると判断した

一方、国も判決を不服として10日に控訴した。

理由については、「メチル水銀の暴露から長い期間が経過して発症する『遅発性水俣病』を認めていることなど、今回の判決は過去の最高裁判決と大きく相違している」としている。

(テレビ熊本)

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