子どもだけの留守番が“虐待”に…。そんな条例に、子育て世代の親からは、怒りの声が上がっている。
埼玉県に住む母親たちからは、「 自分がやってみたらどうですか?って感じ」「1~2分間、家を空けるだけで、虐待になるのはちょっと」と言う怒りの声が上がった。
“現実的ではない”子育て世代から批判の声相次ぐ
物議を醸しているのは10月、埼玉県の自民党県議団が提出した「虐待禁止条例の改正案」。

子どもが放置されることにより、危険な状況に置かれることを防ぐため、条例では小学校1年から3年生の子どもだけの登下校や公園で遊ぶこと、そして留守番が“虐待”にあたるとして違反となっている。

さらに子どもだけで“おつかい”に出かけること、そして親が家に子どもを置いてのゴミ出しも禁止となっている。
こうしたルール変更について、埼玉県の子育て世代からは「現実的ではない」と批判が相次いだ。

小3と5歳の子を持つ親:
ランドセルをポーンと置いて、遊びに行くみたいなことはもうできない
小3と5歳の子を持つ親:
必ず一緒に(学校の迎えに)行ってるかと言われれば、一緒に行ってない。条例違反ですよね。家事もして、送り迎えから全部やってみたらどうすかね
小4と小1の子を持つ親:
今、パートしようと思っているが、お迎えの時間にかかると、仕事を考えないといけない

この条例の改正案では、県民が違反者を見つけた場合、速やかに通報するなどの義務もある。
9万人近い反対の声…自民党県議団は“成立断念”
9万人近い反対の声が集まったオンライン署名には、「埼玉が日本一子育てしにくい県になる!」「こんな条例ができるなら、埼玉県に引っ越さなければよかった」こんな厳しい意見もあった。

改正案の採決を3日後に控える中、10日、自民党県議団は、理解を得られないままで成立させるのは困難とし、成立を断念した。

埼玉県には、これまでに800件を超える意見が寄せられ、そのほとんどが反対意見だという。
埼玉県大野知事は…

埼玉県・大野元裕知事:
説明不足によってその趣旨が十分に理解されず、広く社会に受け入れられなかったことから、取り下げと承っております。
(「イット!」10月10日放送より)