16年ぶりに、自力でのオリンピック出場の切符をつかんだ、バレーボール男子日本代表。

「めざまし8」のスタジオには、激闘を制した石川祐希選手・西田有志選手・関田誠大選手・髙橋藍選手が登場。激闘の舞台裏を語ってくれました。

MC谷原章介:
今回の大会振り返って、五輪の出場権も獲得することできましたが、いかがでしたか?

石川祐希選手:
本当にチーム全員で勝ち取った勝利だと思いますし、チーム全員で勝ち取った切符だと思っています。

――何か転換点というのはあったのでしょうか?
石川祐希選手:
なかなかリズムがつかめなくて、悪いところに目が行きがちだったのを、後半はいいところだけを見て取り組めたことが、このような結果を生み出したのかなと。

――西田選手、サーブにスパイクにと大活躍でしたが、疲れは残っていないですか?
西田有志選手:
いやもう…、ありがたいことに、疲れています。

――逆転を奪った、関田誠大選手のトスからの髙橋藍選手が得点を決めたシーン。改めて映像を見てどうですか?
髙橋藍選手:
かなり点差があったので、そこから巻き返して勝てたというのは、自分たちもさらにギアが上がったというか、気持ちが高くなりました。

――歓声を聞くとテンションは上がっていくんですか?
髙橋藍選手:
めちゃめちゃ上がりますね。

「めざまし8」が会場の盛り上がりを測定器で計測したところ、最も盛り上がったのは、第3セットでの関田誠大選手のスパイク!

なんと「109.0デシベル」を記録。これは、自動車のクラクションと同じ音量です。

――関田選手、このときどんな気持ちでしたか?
関田誠大選手:
まさか自分だとは思わなかったですし、普通スパイク練習なんてしないんですよ、なので突然ボールが僕の所にきたので、もう無心で打ちました。(躊躇は)ないです。めっちゃうれしかったです。
逆転負けからの復活 貫いた「自分たちのバレー」
W杯2戦目、エジプトを相手に2セット先取しながら、逆転負けを喫した日本。

チーム専属カメラマンの岸翔太郎さんは、このときの様子を、「最悪だった、選手が今まで見たことのないような表情。チームの底を見た」と話しています。

MC谷原章介:
2戦目でエジプトに負けて、3戦目もなにかこう、乗り切れないような雰囲気があったんですけども、関田さんたちはいかがでしたか?

関田誠大選手:
あのあとチームでミーティングをして、個人個人の意見とか、周りからの意見も聞いて、もう切り替えるしかないということで話し合いました。

西田有志選手:
自分たちは1、2セット目とって、3、4とられるシチュエーションが多かったんですけど、やれていることもあったし、でもやれていないことに対するフォーカスがいきすぎていて、自分たちの強みがなかったので、そこだけをなくせば良くなってくるのではないかと、ミーティングをやりました。
MC谷原章介:
見ている方としては、1、2取ると3セット目が今までの流れだと不安なところもあったんですが、実際に皆さんはいかがでしたか?

髙橋藍選手:
もちろん、僕たちも意識として、難しい展開になるだろうなとか。少し相手に押されて、3セット目取られてしまうんじゃないかとイメージする場面もありましたけど、でもやっぱりやるしかない。自分たちを信じて自分たちのバレーボールを出していくしかないという思いがあったので、そこを信じてやっていましたね。

石川祐希選手:
チュニジア戦から「自分たちのバレー」っていうものを、見つけたっていうか、きっかけをつかんだから、全て3-0で勝てたのかなと思います。

MC谷原章介:
「自分たちのバレー」龍神NIPPONとはどんなものなのでしょうか?
石川祐希選手:
そうですね、逆境からでも、どんな状況からでも強いバレーをすることが、僕たちの強さであると思いますし、特にディフェンスから、流れを作っていくというスタイルが僕たちの強みです。

倉田大誠アナウンサー:
選手の皆さん、戦った後に翌日の試合、相手チームのデータも分析するし、映像もものすごく見てやっているんですよね。

関田誠大選手:
基本的にチームとしてミーティングするんですけど、僕は個人的にも、相手の映像を見たりしています。
絶対に負けられない一戦
7日の日本対スロベニア戦前に行われていた、アメリカ対セルビア戦。この一戦で、アメリカがストレートでセルビアを下したため、2枠ある五輪の枠の1枠がアメリカに決まりました。

この段階で日本は、この日のうちに五輪出場を決めるには、スロベニアにストレートで勝つことが条件でした。

――スロベニア戦、絶対取らなくてはいけないというところで、硬くなったりしませんでしたか?
石川祐希選手:
1セット目は硬くなっていたと思いますし、実際に6-1とかになったときは、明日まで持ち越して明日勝つしかないなというふうには思ったりとか、そしたらチャンスが来たので、それをつかんだという感じです。
西田有志選手:
僕は前までやっていた大会とかでも、足を引っ張っちゃっていたところが多かったんですけど、今回のこの大会でやっと自分の強みも出せるようになって、チームのために自分も痛いところはたくさんあったにしても、犠牲にしながらもこうやって形にできたことはうれしかったです。

――奥さまの精神的なサポートなどはありましたか?
西田有志選手:
そうですね、奥さん自体もやはり悔しい思いをしていたんですけども、自分のことをすごく応援してくださったし、本当にそこは力になりましたね。
龍神NIPPONを支えた「絆」
見事、パリ五輪の切符を手に入れた「龍神NIPPON」。この快挙の裏には、様々な絆がありました。1つめは「ファンとの絆」です。

――ファンの人たちは温かかったですか?
髙橋藍選手:
いや、めちゃめちゃ温かかったですね。本当に力になりました。

さらに、「家族の絆」も。西田有志選手が、妻の古賀紗理那選手が見守る中、インタビューでこんな一言を…。

西田有志選手:
あのときはちょっと自分に酔っていたのであれだったんですけど、「世界一愛しとるから頑張ろう」と言いました。

倉田大誠アナウンサー:
これ、無理やりインタビューを振ってしまって…あとから古賀さんに何か言われたそうですね。
西田有志選手:
あんな多くの人がいる中で、そういうのはやめてくださいと(笑)。
(照れ隠しではなく)結構マジで言われました。

関田誠大選手:
僕は正直、このシーン聞いていなくて。後から聞いて「すごいことを言ってるな…」と思いました。
そんな関田選手も、試合中の胸元をよく見ると、ネックレスの先には指輪らしきものが。

関田誠大選手:
これは結婚指輪です。

試合中には、この結婚指輪をユニホームの中に大事そうにしまう場面も。

関田誠大選手:
これはルーティンの一つとして、気持ちを落ち着かせたりとか、あとは勇気をもらったりとか、そういう思いがあります。(指輪は)毎回、今も着けています。
パリ五輪に向けての意気込み
「めざまし8」のスタジオコメンテーターでもある尾木直樹氏は、今回の試合を見て「1試合ごとに強くなっていくのも不思議だった」と話します。

――バレーボールの試合は、あれほど勝敗が揺れるものなのですか?
石川祐希選手:
流れが結構あるので…、いいときはもちろん自分たちの力もそうですし、日本の会場のお客さんの声援とかも借りて、自分たちの流れに持ってきていたなと思います。

――会場の声援は力になりましたか?
石川祐希選手:
そうですね、ものすごく力になりましたし、うれしいことですね。

――どうやってメンタルを強くしていっているんですか?
石川祐希選手:
そうですね、僕はもう「自分がやる」っていう思いだけでやっているのと、後は「なんとかなる」ということは基本的には思っていて。それは考えすぎないように。これまでやってきたことは間違いなく力になっているので、それを信じるだけだなと。
(不条理な根性練習などは)あまりないと思いますね。でも僕は最終的には「根性」だなと。

――あれだけ声援があると、作戦を伝えるのが難しくはならないのか?
関田誠大選手:
事前にミーティングしているのもありますし、試合中にああでもないこうでもないと、選手の間で(会話を)しています。

――キャプテンとしてコート内で意識していたことは?
石川祐希選手:
コート内では、やはりいいときも悪いときも、目を見て話し合って、コミュニケーションを取ってというところを大事にしていましたし、少しでも不安な要素があってしまうといけないので、目を見て「自分たちは大丈夫だ」という所を、常に今大会では意識していました。

――最後にパリ五輪に向けて、意気込みをお願いします。
石川祐希選手:
パリ五輪では、メダルを狙えるチームをこれから作っていこうと思っていますし、皆さんにもっと強い姿をお見せしたいと思います。
(めざまし8 10月9日放送より)