秋と言えば「読書」の季節。10月2日、鳥取・米子市の大学病院内に、山陰では初めての「無人販売」方式の書店がオープンした。ちょっと未来を感じる、新しい書店を訪ねてみた。

“未来を先取り”した書店にリニューアル

米子市の鳥取大学医学部附属病院。院内の書店がリニューアルされ、10月2日、「カニジルブックストア」としてオープンした。

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鳥取大学医学部附属病院・武中篤病院長:
非常に斬新な書店にリニューアルされ、大変喜んでいる

一見普通の書店と変わらないように見えるが…
一見普通の書店と変わらないように見えるが…

売り場は約50平方メートル、棚には約5,000冊の本が並び、一見したところ、普通の書店と変わりない。

TSKさんいん中央テレビ・松尾直明記者:
こちらの書店、セルフレジで決済ができる“無人営業”をスタートさせました

山陰初の「無人営業が実現」

この書店の最大の特徴は「無人営業」。平日は午前7時から午後10時までの営業だが、日中の4時間を除いて、店員がいない「無人店舗」になる。

東京のベンチャー企業が開発した「MUJIN書店」を山陰で初めて導入し、無人営業が実現した。

無人営業中の店内に入るためには、まず、書店の「LINE」公式アカウントから「友だち登録」をする。そのうえで、スマートフォンで店舗入り口のQRコードを読み込むと、ドアが開き、店内に入ることができる。

本を選んだあとはセルフレジで支払い。キャッシュレス決済で、店員と接することなく、本を買うことができる。

カニジルブックストア・中原由依子さん:
閉店時間が早いと利用しづらいという声もあり、より多くの方が利用しやすい形として導入したのが、無人営業システムだった

人手不足の解消に加え利便性の向上も

以前は、平日の午前10時から午後6時までの営業だったが、病院スタッフや患者からは夜間の営業を求める声も多く、店舗のリニューアルに合わせて無人店舗のシステムを導入した。

その結果、平日の営業時間を拡大、土日にも開店できるようになり、人件費や人手不足の課題を解消しながら、利便性を向上させることに成功した。

来店した人も「こういう無人の店は初めてだが、仕事帰り、夜遅くでも開いているのはうれしい」、「なかなか普段見かけない学術系の本もたくさんあるので、本の背表紙を見るだけでもおもしろい」と話し、好評のようだ。

カニジルブックストア・中原由依子さん:
営業時間が延びたことで、地域のいろいろな方に利用していただけると期待している

未来を先取りした無人営業の書店。時間を気にせず、秋の夜長を楽しむ1冊を手にすることができそうだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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