歴史好きなあまり、独特なワードセンスで喜ぶ子どもが、SNSのXで話題となっている。
あるる工作会社さん(@mghnsos)は、11歳の娘さんとその友達のため、消しゴムで作ったハンコを使い、お揃いの模様のシャツを作っていたという。
それを見た、娘さんが一言。
「ママむっちゃ良いよ!私が織田信長だったら茶碗を褒美にあげてるよ!」
織田信長は功績をあげた家臣に、褒美として茶器類を与えていたとされる。それほど喜んでいると伝えているわけだが、独特の表現にクスッとする。
あるる工作会社さんが「ありがたき幸せ」と投稿すると「ほっこりしました」などの反応が寄せられ、2万8000以上のいいねを集めた(10月6日時点)。
娘さんは歴史が大好きだというが、織田信長で例えたのはなぜだろう。鉄砲や鎧兜の工作に挑戦しているという日常を、あるる工作会社さんに聞いた。
彼女の中では「最上級の褒め言葉」
――「私が織田信長なら」発言が出たのはなぜ?
シャツに消しゴムで作ったハンコ(ハキリアリをデザインしたもの)を押してたら「すごく良いね~!」と言ってくれたのですが、彼女の中で最上級の褒め言葉として出てきたのが、織田信長の話でした。娘は読書などから得た知識で、例え話をするのに最近ハマっています。
――娘さんの発言を聞いてどう思った?
突然言い出したので「なんだなんだ?」と思いましたが、茶碗の話が出て、娘らしい伝え方に笑いました。歴史以外にも動植物に例えることがあり、私がけがをしたときは「ベニクラゲじゃないんだから、ケガしても若返らないんだよ、気をつけないと」と言ったこともあります。
――娘さんはいつごろから歴史好きなの?
小学校1~2年生くらいからです。本がとにかく好きで、歴史ものを読んでいます。歴史関係のテレビ番組も好きで、その影響も大きいと思います。
忘れ物をした父親に「熊若みたいだね~」
――歴史好きが出た、娘さんの発言は他にある?
家に忘れ物を取りに行った夫が、想定より早く戻ってきたのを見て「パパ熊若みたいだね~」と言っていました。熊若は、武田軍の飯富虎昌に仕えた、ものすごく足の速い忍者だそうです。軍旗を忘れて戦地まで来てしまったのを、4時間で往復約250kmを駆け、いくさに間に合ったそうです。
後はここ数年「汁講したいな~」と言っています。(汁講=主催者が豚汁みたいに具の多い味噌汁のような鍋のようなものとお酒を準備し、客人はご飯を持って行くらしいです)
――歴史関係の工作はどのように作っている?
本を読んだり、テレビを見ている途中に突然「長篠の戦いの三段撃ちはなかったと言われてるんだって!検証したい!」と言って(段ボールなどで)作り出します。検証以外も「こういうのあったら面白そう」という感じで、下絵を描いて作る時もあれば、話しながら作る時もあります。
――検証はどんな感じでしているの?
(三段撃ちのときは)夫が武田軍の騎馬隊、娘が織田軍の鉄砲隊となりました。火縄銃の大きさなどを調べて実際に弾を込める動作などをしたのですが、騎馬隊が到達。おもちゃの刀を抜くも、チョップされて討たれました。娘は「やっぱり時間かかるから三段撃ちは無理だ…」と納得していました。いろいろ条件が違うと思いますが、自分でやってみて考えているのが素晴らしいなと思って見守っています。
娘さんには実現したい目標も
――娘さんがお気に入りの時代、工作はある?
縄文時代で、土偶・土器が好きだそうです。ただ、人物では北条義時が好きだそうです。歴史上のアイテムはこれまで10点ほど作ってきました。娘のお気に入りはハキリアリの兜で、苦戦して時間をかけて作っていました。私のお気に入りは、誰でも伊達政宗になれる伊達眼鏡です。
――娘さんは話題となったことに反応していた?
娘は「みんな織田信長好きなのかね~、信長さんは有名だからね~」と言っていました。
――これからの娘さんの目標はある?
土偶を作りたい。さくへい(平安時代の揚げ菓子)を作りたい。古代メソポタミアで食べられてたパンが作りたい。軍旗を作ってランドセルに差して登校したい。草鞋を編みたい。そうです。
娘と娘のお友達にお揃いのTシャツを消しゴムはんこで作ってるんだけど、娘に
— あるる工作会社 (@mghnsos) October 3, 2023
「ママむっちゃ良いよ!私が織田信長だったら茶碗を褒美にあげてるよ!」
と言われました。
ありがたき幸せ。
私が織田信長なら…という発言は、娘さんにとって最大限の賛辞だった。ちなみに、褒美としてパピコを半分あげるという申し出もあったが、あるる工作会社さんは辞退したという。
(画像提供:あるる工作会社さん)