相次ぐ食品の値上げは10月も続き、4634品目に上る。2023年に値上げされた食品はすでに3万1000品目超。これはバブル崩壊以降最大級の数字だ。気になるのは「今後も値上げが続くのか?」ということだろう。

10月も多数の値上げ スーパーは悩み

国内最大手の信用調査会社・帝国データバンクによると、10月に値上げとなる食品は実に4634品目。その中身を見るとハムやソーセージ、冷凍食品にアイス、ペットボトル飲料など多岐にわたり、あらゆる食品の価格が上がっている印象だ。

ただ、相次ぐ値上げに呼応して店側も値上げして客が離れてしまわないよう懸命の努力をしている。

静岡市駿河区にあるスーパーアンドウ池田店では、夏前に値上げした商品については、10月中は価格を据え置く予定でいる。一方で10月に大きな変化があったのはビール系飲料だ。酒税法の改正に伴い税金が変わったことで小売価格にも影響が出ていて、フロア担当の阿井英一さんは「こればかりは企業努力でどうにもならない。税金なので上げざるを得ない」と嘆息する。

ビールの税金は下がったが…

具体的にはビールは350ml缶1本あたりの税金が約6円下がるのに対して、第3のビールは発泡酒と同じ46.99円に引き上げられた。これにより第3のビールは売値にして1本あたり約10円の値上がりに。

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さらに3年後の2026年10月には、ビールも発泡酒も第3のビールも酒税が54.24円に統一される予定となっている。

相次ぐ値上げに消費者も頭を抱えつつ、買い物の仕方にも変化が出ているようだ。スーパーアンドウの買い物客にたずねてみると「野菜等は値上がりが著しいので、何店舗か回って安いところで買うようにしている」「割引商品を選んで買ったり、賞味期限が近くても品質の良い物があれば間違いがないので、そういう商品を選んでいる」といった声が聞かれた。

バブル崩壊後最大級の品目数 今後は?

2023年中の食品値上げはすでに3万1000品目超に上り、現時点で2022年を大きく上回っている。これはバブル崩壊以降最大級の数字だ。

帝国データバンクは今後の動向について「年内は食品の値上げがいったん落ち着く見通し」としている。ただ、円安の長期化や物流費の高騰など食品価格が安定化するプラス要因が見当たらないのも事実で、2024年以降も断続的に値上げが続く可能性もあるという。

また、ガソリン価格も国の補助金で抑えられているのが現状で、政府は10月中にレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格を175円程度まで抑制するとしているが、補助は年内限りとこちらも先行きは不透明な情勢で、財布の紐は堅くなる一方となりそうだ。

(テレビ静岡)

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