静岡市葵区の日本で最も古い公営住宅・羽衣団地。いま、団地の一部を改修する作業が行れていて、建築を学ぶ学生たちが研究を兼ねてその作業を体験しました。

真新しい木材に塗料を塗っているのは岡山大学工学部で建築を学ぶ大学院生。

岡山大学工学部・新居岳士 さん:
絵は画用紙なので、木に塗るのは初めてで難しい。グラデーションが難しい

JR静岡駅から南西に約1.5km。

静岡市葵区駒形通にある市営 羽衣団地。

77年前、終戦間もない1948年に設計・着工された日本で最も古い現役の公営住宅です。

台所と和室をつなぐ配膳口や共同で使用していた木製の浴槽などが今でも残され、昭和の趣を懐かしむ多くの人が県内外から見学に訪れます。

現在、羽衣団地の入居率は約60%。

市は空き部屋を県外からの移住者に安く提供しようといま部屋の改修を行っています。

間取りや配膳口などは当時の姿を残し、洗面台の棚や床も77年間の歴史を刻んだ現在の色に合わせる古色塗装という技法が用いられています。

岡山大学工学部・豊福凌央さん:
古色塗装の技術を用いたら空間としてまとまりのある空間を作るための技術はおもしろい

岡山大学工学部・橋田竜兵 講師:
羽衣団地は歴史を守りながら今後活用していこうという中で、きょうのような取り組みをやっているので、学生が関われるのは貴重な体験

市は9月に建築を学ぶ学生たちの研究も兼ねて改修した部屋に宿泊してもらい、住み心地など今後の参考にする方針です。

静岡市住宅政策課・小澤映里 係長:
まだ空き部屋もある、今年は移住者向けのお試し住宅として活用する。その状況を見ながら今後も(活用を)検討していきたい

昭和の生活や建築技術が残る日本最古の羽衣団地。

若い世代によって後世につなぎ、活用していく取り組みは今後も続きます。

テレビ静岡
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