政府が、企業が運営する年金の改革を進める方針だ。
「企業年金」の運用成績を一般に公開して、簡単に比べられるようにすることを検討している。
この狙いについて、智田解説副委員長に聞いた。
企業年金の運用成績“公開”を検討
企業年金は、企業で働く従業員向けに、国民年金と厚生年金に上乗せされている年金。

このうち、企業側が運用するタイプでは、従業員が受け取る年金給付額を予め約束して運用するため、企業の責任は大きくなるが、これまで日本では運用成績が公開されていなかった。

政府は、それぞれの企業年金の運用成績を一般に公開して、簡単に比べられるようにすることを検討している。
岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の会議のもとに分科会を設けて、4日にも議論を始める方針だ。

日本の年金制度は、会社員の場合3階建てになっている。1階が「国民年金」、2階が「厚生年金」、そして3階部分に、企業が従業員のために設ける「企業年金」となっている。
運用を他社と比較できるように
今回3階部分の「企業年金」について運用成績を公開するのということにはどんな狙いがあるのか、智田解説副委員長に聞いた。

智田裕一解説副委員長:
今回、政府が運用実績の公開を検討しているのは、従業員が受け取る年金の給付額を、企業側が予め約束して運用するタイプです。
年金は債券や株式などに投資して運用されているんですが、「企業年金」については運用成績は原則公開されていません。
もし運用成績が悪く、積み立てが不足すると、会社の補填が発生することになり「会社の業績」や「給料」などに影響が出る可能性があります。
――運用成績が公開されれば、従業員もきちんと運用されているかチェックできるようになるということ?

智田裕一解説副委員長:
はい、従業員が自分の会社の運用について、他の企業との比較もできるようになります。
また、企業が年金運用により緊張感をもって向き合うことにつながる側面があるほか、将来の年金をはじめとした資産運用についての関心も高まることになりそうです。
(「イット!」10月3日放送より)