松山市の企業が開発した「青い防犯灯」。従来の防犯灯より“地域の安全性向上”につながると期待されている。

夜道を照らす「青い防犯灯」

9月14日、愛媛・松山市内の住宅街、土居田地区で新しい防犯灯の設置作業が行われた。
設置された現場に夜、行ってみると…

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久保柊馬リポーター:
こちらが今回新たに設置された防犯灯です。奥の防犯灯と比べると光が青いことが分かります

従来の白い光とは違う、一風変わった防犯灯だ。作ったのは、市内で警備業やセキュリティー機器の販売・施工を行うアマノコーポレーションだ。

アマノコーポレーション・天野憲一代表取締役:
アクティクルと言います

代表取締役の天野さんは、警視庁や愛媛県警に勤務していた元警察官。悲惨な現場を目の当たりにしてきたからこそ、犯罪を未然に防ぐための防犯灯に込めた思いはひとしおだ。

アマノコーポレーション・天野憲一代表取締役:
子どもたちには「安心安全のエリア」、良からぬ者に対しては警戒しているぞという「警戒エリア」を周知せしめることで、これがいわゆる地域連携の防犯活動の啓蒙(けいもう)になるんじゃないかという風に思って

青い色が「住民を守るチカラ」に

この防犯灯、青い光もさることながら、実は防犯カメラを内蔵しているのが大きな特長なのだ。

アマノコーポレーション・天野憲一代表取締役:
あくまでも何かあった時に画像を再現するということで、人の顔とか車のナンバーとかをきちっと録画することができますので

内蔵カメラで24時間周囲を撮影していて、いざ事件や事故が発生した時には、決定的な証拠や警察などの捜査の手助けにもなるという。

そして、もちろん青い光にも大きな意味がある。

アマノコーポレーション・天野憲一代表取締役:
信号の青色もそうですけども、視認性としては安心安全につながるのではないかという意見も踏まえて、青色に決めました

天野社長がこだわった青色には、心理学の専門家も一定の効果を期待する。

人間環境大学 総合心理学部・野内類教授:
人の心の中で、青色が「安全」に関するものであるという概念が蓄積されつつあるのかなという気がします

私たちの中に、信号機の青色は「進め」だから青色は「安全」などのように、青色を安全と思う認識が自然とできているのではないかという。

人間環境大学 総合心理学部・野内類教授:
「青色のところには防犯カメラがあるぞ」「青色の所に行ったら周りの大人は助けるぞ」というようなメッセージを送り続けることによって、今回の取り組みのような青色の防犯カメラっていうのは非常に効果が出てくるのかなと思います

青色防犯灯の設置を広げることで、さらに多くの人が青色防犯灯は「安全」と思うようになり、この近くでの犯罪が減るのではないかと話す。

“犯罪が少ない町”の実現へ

9月14日、土居田地区と雄郡地区の通学路など10カ所に青色防犯灯が設置された。

雄郡地区自治連合会 土居田町自治会・須山淳一会長:
犯罪が少ない町にしたいという思いが第一番ですからね

設置に協力した地元の自治会も、子どもたちを守るチカラになればと大きく期待している。

そして、設置初日の夜。早速、夜道を照らす青い光に、道行く人の反応も上々だ。

通行人の男性:
最近ちょっと帰りが遅くなるんで、こういうの置いてくれるとありがたいですね

通行人の女子高校生:
見やすくなった感じはします

通行人の女子高校生:
事故とかもこれで減りそうな感じします。カメラで証拠が残っているのもすごくいいと思うし、もっと色んな所に設置を増やしてほしいなと思います

防犯灯を通して犯罪の無い街へ。青い光が安心の灯火になる日が来るかもしれない。

(テレビ愛媛)

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