岸田首相は、トラック運転手の残業規制の導入によって人手不足が懸念される2024年問題について、2023年10月初旬に「物流革新緊急パッケージ」を取りまとめる方針を表明した。

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岸田首相は東京・大田区の運送会社を視察し、2024年問題などについてトラック運転手らと意見交換をした。

岸田首相:
来週に関係閣僚会議(を開催し)、「物流革新緊急パッケージ」を取りまとめたい

岸田首相は、荷物の積み下ろしなどの機械化、再配達率半減に向けた対策、EVトラック(電気自動車)導入などを挙げ、10月にまとめる経済対策に盛り込みたいと述べた。

また、運転手の賃上げのための適正な運賃について、2024年の通常国会で「法制化を進めたい」と述べた。

「中継輸送」で効率化・CO2削減

「Live News α」では、市場の分析や企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに話を聞いた。

海老原優香 キャスター:
物流業界の「2024年問題」、これは待ったなしですよね

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
長時間労働を是正しながら、企業活動も維持する、難しい課題に直面しています。
これは何も「物流業界」だけでなく、「建設業界」や「医療介護」など、さまざまな業界が変わることを求められています。
「変わる」ために必要なのは、これまでの当たり前を見直すことです。物流業界の場合は、荷物を運ぶことの効率化と荷物を受け取る側の行動変容がカギになります

海老原優香 キャスター:
具体的には、どういうことでしょうか?

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
民間企業が競合関係や業界の垣根を越えて、物を運ぶ成功事例が出てきています。
これまではトラックは目的地で荷物を降ろすと、荷台を空にして戻っていたため、人財も輸送費も無駄にしていた訳です。
この仕方ないとされてきた無駄をなくそうと、食品メーカーのカゴメと日清製粉ウェルナがタッグを組み、「中継輸送」を行っています。
この中継輸送では、物流の中間地点で互いのドライバーが入れ替わります。
例えば、カゴメは茨城県内の工場で生産した飲み物を愛知県に運びます。そのトラックが関東に戻る際に、日清製粉のパスタソースなどを届けるのです。
互いの中間地点である静岡県でドライバーが入れ替わって、もとに来た地域に帰ります。
荷台を無駄にせず、ドライバーはその日のうちに自宅に帰る事ができて、輸送の効率化によってCO2の削減にもつながります。
複数の企業が連携することで、「働く人」「企業のお財布」「環境」にもやさしい取り組みを行えるのです

受け取る側の意識改革が重要

海老原優香 キャスター:
企業だけではなく、荷物を受け取る私たちも変わる必要がありますよね

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
「送料無料」との文言が当たり前になってしまいましたが、けっして「タダ」ではありません。
私たち荷物を受け取る側も、再配達の負担をかけないように宅配ボックスなどを活用したり、本当に「即日配達」でなければならないのか、考えてみてる必要があるように思います。
「2024年」問題は物流業界の問題ではなく、社会全体で取り組む問題です。私たちも、これまでの当たり前を見直して、変わる必要があります

海老原優香 キャスター:
決められた場所、決められた時間に荷物が届くのは、今この時間もトラックを走らせたり、荷物を仕分けしている方たちのお陰だと思います。
その負担が少しでも減るように、再配達を避けたり、まとめ買いを心掛けるなど、私たちにできることをしていきたいですね
(「Live News α」3月6日放送分より)

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