ファミリーマートは、10月から自社ブランドの宅配ロッカー「ファミロッカー」の運用を開始すると発表した。対象店舗約650店舗に順次設置されるファミロッカーでは、様々な宅配サービスやフリマアプリの荷物の受取が、スタッフを介さずQRコードで手軽に利用できる。

業界初・自社ブランドの宅配ロッカー

ファミリーマートが自社ブランドで運用する宅配ロッカー「ファミロッカー」。

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10月から順次、東京都を中心としたファミリーマート約650店舗に設置される。

この「ファミロッカー」では、QRコードをロッカーにかざすことで、レジを介さず荷物の受け取りや発送ができるという。

ファミリーマートでは、デジタル化やコロナ禍で5年前に比べ約3割荷物の取り扱い量が増えていて、今後さらに深刻化するとされる物流問題や、人手不足に対応していきたいとしてる。

利用者にも嬉しい取り組み

「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

海老原優香 キャスター:
今回の試み、どうご覧になりますか。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
多くの宅配などに対応するのは素晴らしい。コンビニ側にとって、宅配便やフリマアプリでの荷物の受け渡しは、かなり店員に負荷がかかる業務なんです。

私の場合、マーケットの今を知るために半年に一度、コンビニ店舗スタッフのアルバイトをしているが、かつてより様々な受付業務が煩雑になっていて、いつも戸惑ってしまう。

これは、高齢者などの雇用にもネックになっている。

今回の宅配ロッカーは、レジやマルチメディア端末を通さず、店員の対応がなくなるため、著しく業務が軽減される。

海老原優香 キャスター:
私たち利用者側にとっても、こういう便利なサービスを心待ちにしていた方、多いですよね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
利用者にとっても、メリットは多い。何より、店舗スタッフを介さずに、荷物の発送や受け取りができるのはいいですよね。

しかも、不在時の荷物受け取りなどもできるため、再配達を減らして、好きな時間に荷物を受け取れるのも嬉しい。

今回の取り組みは、特定企業の荷物を対象にせず、多くの宅配やフリマなどに対応する仕組みとなっているため利用者の広がりが期待できる。

他のコンビニも追随すれば、大都市圏の宅配便の効率は一挙に上がるのではないか。

「企業と顧客が協力」広がりに期待

海老原優香 キャスター:
物流業界の、いわゆる「2024年問題」への対応にもつながりそうですね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
2024年からトラックドライバーの残業時間が規制されることで、ドライバー不足が加速することは間違いない。 

いま、宅配ドライバーが荷物を届けても、10回に1回ほどは再配達になってしまう。この課題解決に対する一つの答えになっている。

海老原優香 キャスター:
今回の宅配ロッカーは、私たち利用者はもちろん、宅配企業とコンビニにも、メリットがあるようですね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
日本は若年層の人口減が加速しており、今後ますますサービス業の人手不足が深刻化する。

なかでも、年間50億個を超える宅配便の効率化は、優先順位の高い課題解決の項目になっている。

関わる企業と顧客が協力しながら進める、今回のような取り組みが、他の分野にも広がっていくことを期待したい。

海老原優香 キャスター:
宅配サービスは、本当に便利ですよね。ただ、その便利さを支えるために、誰かにしわ寄せが及んでいるように思います。

荷物を届ける人の働き方と、それを受け取る人の便利さが両立するような取り組みが求められているようです。
(「Live News α」9月26日放送分より)