名古屋市の河村市長が25日の定例会見で、次期衆院選への出馬について問われた際、「アラーの神の思し召し」と答える場面があった。
これについて、専門家は「イスラム教が侮辱されたと捉えられる可能性もある」と指摘する。

衆院選出馬について問われ…

永田町で早期解散の観測がくすぶるなか、25日名古屋市での会見では、記者から河村市長に、次期衆院選に出馬するか、といった質問が飛んだ。

25日会見する河村たかし名古屋市長
25日会見する河村たかし名古屋市長
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すると、河村市長は「南無阿弥陀仏ですな」と答えた。

河村市長が衆院選に立候補すれば、名古屋市長を任期途中で辞職することになる。

こうしたことに触れ、記者が「名古屋市長を辞めるか辞めないかという重大な話をするときに何を言っているかわからない。市民への説明としては不誠実に映る」と改めて問うと、河村市長は「インシャーアッラー。アラーの神の思し召しの通り」と答えた。

「侮辱と捉えられてもおかしくない発言」

河村市長の発言について、イスラム思想研究者で麗澤大学の飯山陽客員教授は、「イスラム教徒がアッラーを侮辱されたと捉えられてもおかしくない発言」と指摘する。

飯山氏によると、本来「インシャーアッラー」とは、「アッラー(神)がお望みならば」という意味で信仰をあらわす言葉。
出馬についての回答をはぐらかすために、宗教上で意味のある言葉を「市長」という公の立場の人物が発したことは不適切であるだけでなく、イスラム教を茶化していると捉えられてもおかしくないという。

プライムオンライン編集部
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