2023年夏の記録的な猛暑は、秋の味覚にも影響を与えている。山形・朝日町の特産であるリンゴは、連日の強すぎる日差しによる「日焼け被害」が深刻な状況で、出荷量が例年の半分程度になることが懸念されている。

地面に転がったリンゴは黄色く…

地面に転がるリンゴ。せっかく実ったにもかかわらず、出荷を諦めたものだ。

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リンゴ農家の志藤一枝さんは「夫はリンゴ作り60年。日照りによる障害は初めて。やっぱり日焼けすると黄色くなる。通常はグリーン。それが黄色くオレンジっぽくなっている。もう商品価値がない」と話す。

焼けて黄色くなったリンゴ
焼けて黄色くなったリンゴ

志藤さん夫婦の園地では、県のオリジナル品種「秋陽」の収穫が、猛暑の影響で例年より半月ほど早まり収穫目前となった。しかし、強すぎる日差しによって表面が「焼けた」状態となり、夜に気温が下がらなかったため、色ムラも目立つ。

出荷量は例年の半分程度に

生食用で販売できないものはジュースなどの加工用となるが、それらをあわせても2023年の「秋陽」の出荷量は例年の半分程度に減る見込みだという。

一枝さんは「悲しいですよ。愛を1年通して注いで、収穫を迎える目前でこうなんだから…。消費者がいるのにこれでは届けられない」と肩を落とした。

色づく前の品種にも、日焼けしたり変形したりと被害が出ていて、志藤さんは葉摘みをして均等に色づくよう対策をしていた。

朝日町によると、リンゴの日焼け被害は町内で広く確認されていて、被害の大きさ次第で支援策を検討するとしている。

(さくらんぼテレビ)

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