「高温少雨」の影響が多方面で出ている。雨が少ない状況が続き、長野県大町市の大町ダムの貯水率は19%まで下がり、「このペースでいくと0%近くになる」と関係者は懸念している。また、秋の味覚・キノコにも影響が出始めていて、早くまとまった雨が降ってほしいと願っている。
「ここまで水位が下がるのは初めて」
洪水調節の他、水道水・農業用水も供給する国直轄の大町ダム。
8月の上流域の降水量は106.4ミリで、例年の3割程度。貯水率は19%まで下がった。
今後1週間も雨の予報はなく、貯水率はさらに下がると予想されている。
大町ダム管理所の田辺雄司所長は、「このペースで貯水率が下がると、9月18日ごろ、貯水率が0%近くになるのではないか」と懸念している。

13日開催された渇水対策情報連絡会でダム管理所は「貯水率ゼロパーセント」になる懸念を自治体関係者に伝え、状況によっては放流する水を減らす方針も示した。
ただ農業用水の利用はこれから減るため、市民生活への大きな影響はないとしている。
田辺所長は、「ダムの運用開始38年目に入っているが、ここまで水位が下がるのは、ほぼ初めて。降雨予測を見ながら適切なダム運用・管理をしていきたい」と、話す。

マツタケなどキノコ類の出荷遅れる
少雨の影響は農業にも。
JA大北によると管内では少雨でナスやトマト、キュウリの収量が減り、リンゴの実が大きくならないなどの影響がみられるという。
県は「高温少雨の影響は出ているが例年と比べて多いかどうかはまだ把握していない」としている。
少雨に加え、残暑も厳しい県内。その影響で、青木村の「道の駅あおき」では、マツタケなどキノコ類の出荷が遅れている。

地元で採れる人気のマツタケ。
2022年、2021年は9月5日から棚に並んだが、今年はまだ一度も並んでいない。
13日、上田市から足を運んだ日本料理店を営む男性は、「マツタケがあるかどうか見てきて、なかったのでどうしようかなと。マツタケがあるとお客さんも喜ぶので買いに来たんですけど、出ていないとなるとどうしようもないので、これから出てくるのを祈りたい」と話す。

マツタケだけではなく他のキノコもまだ生えていないという。
道の駅あおきの若林崇弘社長は、「お盆すぎの高温と雨が降らなかったために山が乾いちゃっている。やはり、キノコは水分がないと出てこない」と、やきもきしている。
原因は高温と少雨。
先日、やや雨が降ったことから、若林社長はあと1週間から10日ほどで出るのではと期待している。
関係者は、早くまとまった雨が降ってほしいと願っている。

(長野放送)