「三角ビル」が大リニューアル

東京・西新宿エリアが大きく変わり始めている。
1974年に建てられ「三角ビル」の愛称で親しまれてきた「新宿住友ビル」は、約3年間の大規模リニューアル工事を経て、7月1日、ビルの低層部に国内最大級の全天候型イベント空間「三角広場」をオープンした。

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ガラス張りの屋根と壁で覆われた内部には大型ビジョンが設置され、最大2000人規模のパブリックビューイングやスポーツイベント、祭りなどを開催することができる。
オフィス街のイメージが強い西新宿エリアに、ファミリーや観光客など新たな人の流れを呼び込むのが狙いだ。
また、雨や風が入らない内部空間であるため、地震などの有事の際には、帰宅困難者の一時滞在施設として2850人を受け入れることにしている。

住友不動産 ビル事業本部 宮川享之・新宿事業所長:
とにかく人の流れが変わると思っている。
新宿東口には休みの日も多くの人たちがいるが、残念ながら西口にはなかなか人が回遊してこなかった。
人が集まるような施設ができることによって、大きく人の流れが変わると思っている

変わる新宿の人の流れ

7月19日にはJR新宿駅に「東西自由通路」が開通する。
これによって、東口と西口の行き来が改札を通らずにできるようになり、新宿駅の回遊性は大幅に向上する。
東西自由通路は、幅約25メートル、長さ約100メートル。
東口から西口へと流れる人の数は格段に増えていきそうだ。

公園にも"人が集える”新施設が誕生

西新宿の高層ビル群の一角にある「新宿中央公園」も大きく変わる。
7月16日、カフェやレストラン、フィットネスクラブが入る施設「SHUKNOVA(シュクノバ)」が公園内にオープンする。

「SHUKNOVA(シュクノバ)」は、SHUK=「宿」、NOVA=ラテン語で「新しい」の意味。
江戸時代には、内藤新宿という宿場町として栄えた新宿。
施設名称には「新たな宿場町として様々な異なる文化・人々の交流を育む場にしたい」という思いが込められている。
レンガや木材などをアクセントに用いた外観は、高層ビル街の景観にも新しい存在感を生み出しそうだ。

東京都は、西新宿について5Gを活用した情報社会「スマート東京」の実現に向けた先行実施エリアの一つに位置づけている。
西新宿エリアに5GやWi-Fiを重点的に整備し、最先端技術が体験できる場所として多くの人が訪れるスマートエリアにすることを目指している。
新たな施設の誕生にスマートエリア構想。
新宿副都心計画から60年、西新宿は新たな街に変貌を遂げようとしている。

(フジテレビ報道局経済部 土門健太郎記者)

土門 健太郎
土門 健太郎

フジテレビ報道局経済部 記者