原油価格の高騰は、私たちの身近な企業にも影響を及ぼしている。燃料を大量に使う街のクリーニング店にとって、止まらない石油製品の値上がりが大きな打撃となっている。

灯油の価格は3年で1.6倍に

山形市東原町で約70年続くクリーニング店「クリーニングすずき」。この店では、多い時には1日で約200点の衣類をクリーニングしている。

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「アイロン」や「乾燥機」を動かすためのボイラーで使う灯油の量は、年間1万リットルに上る。灯油の価格はこの3年で1.6倍に値上がりしているが、値上がりしたのは灯油だけではない。

クリーニングすずきの鈴木浩代表は「ドライゾール(石油系の溶剤)も、ガソリンが値上がりすると徐々に上がる。ほかにクリーニングのせっけん・ハンガー・ビニールなど、関係のある石油製品は全部値上がりするので影響がある」と肩を落とした。

水洗いができないシルクやウールでできた服の汚れを落とすドライクリーニングに欠かせない「溶剤」も、現在は200リットルで約7万円と、1.7倍に高騰している。

さらに、クリーニングの集荷と配達で使う車のガソリン代も頭が痛い問題だ。鈴木代表は「20~30軒回るので、距離的には毎日100km以上。それが週6日。ガソリン高騰は響いている。もう少し安くなってもらいたい」と話す。

9月7日から始まった国のガソリン補助金の「拡充策」は、クリーニングで使う「灯油」や「重油」にも適用される。それでも値上がりした品目が多すぎて、なかなか効果は実感できていない。

クリーニングすずき・鈴木浩代表:
去年(2022年)一度値上げしたので、また今回も上げるとお客さんに迷惑をかけるので、何とかするしかない。頑張って乗り切っていきたい

コロナ禍が落ち着き、ようやく需要が戻ってきた時期だけに、クリーニング店の危機感は募るばかりだ。

(さくらんぼテレビ)

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