9月11日も全国的に大気が不安定となり、激しい雨に見舞われる地域もあった日本列島。

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秋の台風シーズンを前に、医師が注意を呼びかけるのは、雷雨の後に訪れる「雷雨ぜんそく」と呼ばれる症状です。

おやなぎアレルギークリニック 小柳貴人院長:
例年秋になると、ぜんそく発作が増えるといわれております。
秋は台風とか、天候が悪い日も増えますので、もしかしたら海外で報告が増えてきている「雷雨ぜんそく」なんかも、日本でも起きることがあるかもしれないので、注意が必要かなと思います。

中国・内モンゴル自治区 ぜんそくの症状を訴え、病院に殺到する人々
中国・内モンゴル自治区 ぜんそくの症状を訴え、病院に殺到する人々

9月2日には、中国の内モンゴル自治区で雷雨に見舞われた後、約800人以上が“ぜんそく”の症状を訴え病院に殺到しました。

同様の事態が北京などでも発生し、中国当局はこれを、雷雨の後の花粉濃度が高くなることによって引き起こされた、「雷雨ぜんそく」が関連していると発表しました。

過去には死者も…「雷雨ぜんそく」の恐怖

ぜんそくや、花粉症ではない人も発症する可能性があるという「雷雨ぜんそく」。

おやなぎアレルギークリニック 小柳貴人院長:
一般的に、9月・10月はぜんそく患者さんがとても増える時期なんです。台風や天候が悪化した日、その翌日はぜんそく発作が増える日だといいます。

2016年11月には、オーストラリアで約1万3千人が「雷雨ぜんそく」を集団発症。10人が命を落としました。

呼吸困難に陥った人達の96%が、オーストラリアでは身近な場所に生えている「ライグラス」という植物の花粉アレルギーを持っており、この花粉は11月に飛散するため、花粉の季節と雷雨の日が重なる事で起こる現象と判明しました。

「雷雨ぜんそく」の原因と言われている“花粉”。
通常の花粉粒子は、鼻腔に入り込み、花粉症を引き起こしますが、気管支などには粒子が大きすぎるため入っていくことはありません。

しかし、台風などの「雷雨」が発生すると、上昇気流などで花粉が雲の中に吸い込まれ、雲に含まれる水分や雷の電子などにより、花粉が膨張し破裂。これによって粒子が細かくなり、気道の奥の肺まで侵入し、「ぜんそく」を誘発します。

小柳院長によると、花粉が通常の大きさの10分の1程度になってしまうため、花粉症を発症していない人でもアレルギー反応を起こしてぜんそくになる可能性もあるといいます。

――普通のぜんそくと、雷雨ぜんそくはどのような違いがあるのでしょうか?
おやなぎアレルギークリニック 小柳貴人院長:

一般的にぜんそくは、呼吸の通り道が狭くなり、呼吸がしづらくなる病気なんですけども、通常のぜんそくはダニやハウスダスト、ウイルス感染などが原因になり、雷雨ぜんそくは微細な花粉が原因となります。
引き金となる原因が違うだけで、症状に見分けがつくほどの差はありません。

今、注意が必要な秋の花粉として、キク科の「ブタクサ」「ヨモギ」、 イネ科の「チモシー(オオアワガエリ)」「オーチャードグラス(カモガヤ)」があげられますが、通常の「稲」なども花粉があるので注意が必要です。

――日本国内で「雷雨ぜんそく」の症例は確認されているのでしょうか?予防方法は?
おやなぎアレルギークリニック 小柳貴人院長:

今までは、日本国内で雷雨ぜんそくが大発生したという報告はありません。
予防としては、まずは、マスクの着用をおすすめします。サージカルマスクや、N95マスクなど目が細かいマスクはある程度花粉の吸入を減らすことが可能だと思います。
もうひとつは、雷雨や台風の日、その翌日は不要な外出を控えるのも有効だと思います。
(めざまし8 9月12日放送)