アメリカ・マサチュ―セッツ州に住む14歳の少年が9月1日、「激辛チップス」を食べた後死亡した。
若者たちの間では「ワンチップチャレンジ」と呼ばれる、激辛チップスを食べた後に水などを飲まずにいかに我慢できるかを競う動画がSNSで人気となっていた。
過度に辛いものを食べた場合、身体にどのような反応が起きるのか。子供の食と健康に詳しい、イシハラクリニック 石原新菜副院長に話を聞いた。
タバスコの500倍の辛さ
ーー今回の激辛チップスに使われている唐辛子はどういうもの?
今回の激辛チップスに使われている唐辛子は、辛味成分のカプサイシンが大量に含まれている最も辛いとされる唐辛子です。
辛い物は適量であれば血行促進など身体に良いと言われていますが、大量に食べすぎたり、辛味の強すぎるものを食べると、食道や胃、腸などから出血を起こします。
また、不整脈、アレルギー反応などが起こって、最悪の場合は、脳梗塞など死に至る可能性もあります。
特に身体が発達していない子供の場合は、影響も高くなるため、面白がって食べると体を壊したり、最悪の場合は死亡する可能性もあり、注意が必要です。
ーー子どもはなぜ特に注意が必要?
子供は大人に比べて身体が未発達なので、粘膜や免疫機能などが弱いです。
大人は大丈夫なものでも、子供に対しては強く反応が出過ぎてしまうものもあるので辛味に関しては気を付けなくてはいけません。
SNSには子供が挑戦する姿が
亡くなった少年の死因はまだ判明していないが、チップスには世界で最も辛いとされる、キャロライナ・リーパーなど2種類の唐辛子が使用されている。
チャレンジ企画を仕掛けた販売会社は、「本来、成人向けのもので子供には向かないと表示しているが10代の若者らが警告に耳を傾けないケースが増えている」とコメントし、慎重を期して製品の自主回収を決めた。
ーー辛味は食べすぎがいけない?
そうです。
最初は汗が出る程度だったのが、だんだん感覚が麻痺してくると、もっと強い刺激を求めて辛い物が欲しくなるので、どんどん激辛のものが食べたくなっていきます。
これは異常なサインで、「味蕾(みらい)」という舌にある味覚を感じる装置が麻痺してくると、本当はすごく辛いのに辛くないと感じてしまい、もっと刺激が欲しくなりエスカレートしていくためです。
辛味が強いものを摂取しすぎた結果、粘膜が充血して毛細血管が拡張します。
その拡張した毛細血管が切れてしまうと出血が起こるので、食べすぎには大変注意が必要になります。